KDDIは5月21日、ポイントサービスを「au WALLET ポイント」からロイヤリティ マーケティング(LM)が運営する共通ポイントサービス「Pontaポイント」に変更すると発表した。あわせて、ECサービス「au Wowma!」も「au PAYマーケット」に刷新されたほか、同社のクレジットカード「au PAY カード」が他キャリアのユーザーでも利用できるようになった。
これにより、ポイント保有会員数2800万以上のau PAY、会員数9400万以上のPontaを足して、1億人規模のポイント会員基盤が誕生する。ポイントも、スマートフォン決済サービス「au PAY」や「au PAY カード」の決済で付与される0.5%のポイントに加え、ローソンなどPonta加盟店での利用で貯まる0.5〜1%のポイントが同時に付与される。また、「au PAYアプリ」のみで「Pontaカード」の提示から決済までが完結できるほか、Pontaアプリやローソンアプリでもau PAYの利用が可能だ。
さらに、au PAY カードでau PAY残高にチャージした場合のポイントを従来の0.5%(200円/1ポイント)から1%(200円/2ポイント、6月23日より100円/1ポイント)に変更。au PAY決済時に付与される0.5%ポイントと合わせることで、Ponta加盟店ではない店舗でも1.5%のポイントが還元されるという。
6月1日より、ローソン(ローソン・スリーエフ、ローソン・ポプラ、ナチュラルローソン、ローソンストア100)でau PAY、au PAY カードを利用すると、Pontaカード提示で付与される1%ポイントに加え、4%のポイントを上乗せ(200円ごとに8ポイント)する。これにより、非auユーザーであっても常時5%の還元が受けられるという。au PAY カードからのチャージ(au PAY カードでの決済含む)であればさらに1%追加となり、常時6%の還元となる。
また、「三太郎の日」に限り、auユーザーはポイント付与率10%、非auユーザーでも付与率7%に引き上げる。Pontaカード提示時のポイントと合わせて、それぞれ11%、8%に上乗せされるほか、先述のau PAY カードからのチャージであれば、それぞれ12%、9%のポイントが還元される。なお、4%のポイント上乗せ分は1月あたり3000ポイントの還元上限がある(終了時期は明かしてないが、終了する場合は事前に告知予定)。
貯まったPontaポイントは、au PAY 残高にチャージすることで、コンビニや家電量販店での買い物に使えるほか、au PAY マーケットやauサービスの支払いにも利用可能。au PAY マーケットでは、ポイント額を50%増量でき、よりお得にショッピングができるという。なお、au PAYとPontaポイントが利用できるのは、ローソンやビックカメラなど190万カ所(丸善ジュンク堂書店は6月以降au PAYを導入予定)となる。
すでにPontaカードを利用しているユーザーは、au PAYとカード機能、ポイントを統合することが可能。リニューアルされたau PAYアプリを立ち上げると、Pontaカードというボタンがトップ画面に出現する。タップして表示される「連携する」ボタンから、既存のカードを連携するか、新規で発行から選択できる。カード裏面の情報を読み取り、会員情報を入力すれば統合が完了する。
Pontaポイントの有効期限は最終利用日から1年後だが、通信料金の支払いなど、au PAY カードを毎月利用することでPontaポイントが毎月加算されるため、有効期限が自動的に延長されるようになる。なお、ローソンが運営する「ローソンアプリ」との連携は5月21日から開始されるが、LMが運営する「Pontaカード (公式) アプリ」との連携は6月中旬以降を予定している。
同社は、au PAYの大型キャンペーンとして、2020年1月末に決済額の20%を還元する「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」を発表。2月10日〜3月29日の期間中、7週間に分けて毎週10億円を上限にキャンペーンを実施してきた。当初は、1回あたりの決済上限を3万ポイントにしていたこともあり、ほぼ1日(初回のみ2日間)でキャンペーンが終了してしまう事態になっていたが、キャンペーン途中で決済上限を6000ポイントに変更したことで2〜3日ほど持続するようになっていた。
キャンペーンの成果としてKDDIは、au PAYの会員数増に貢献したと説明する。オンライン説明会に参加したKDDI執行役員の多田一国氏(パーソナル事業本部サービス統括本部 副統括本部長 兼 通信とライフデザインの融合部長)は、「具体的な倍率はお答えしにくい」としつつ、「期初に立てた何千%という数字より上振れする効果があった。我々の予想を超えるぐらいの成果があった」と評価する。
ただし、「キャンペーンの時だけ使うユーザーもいる。今後ローソンなどを中心に、日常使いでポイントを貯められることを基調にしたい」としたほか、「(ローソン以外にも)他のスーパーやドラッグストアでもやったらどうか。という声もあったが、“三密”につながってしまうので控えている。社会の情勢を踏まえつつ、比較的大きなキャンペーンもやっていきたい」と述べ、一過性で終わらず継続的に利用してもらえる施策を展開する計画のようだ。
なお、緊急事態宣言下でオフライン決済が減る一方で、オンライン決済は増える傾向にあるが、KDDIはこの波に乗れていない。「リアルからオンラインへのシフトが起こっていくなかで、リアルだけをやっていたらダメだと思っている」としているが、順調なクレジットカードと異なり、au PAYを使ったオンライン決済は、auの通信費と合算して支払える「かんたん決済」にとどまっている。多田氏は、「急いで対応を進めている」としており、「(決済は)リアルだけでなくオンラインもマージした世界になる」と説明した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス