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ソニー、吉田社長が話す商号変更からPS5発売まで--「今後極めるのはリモート」 - (page 2)

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PS5がこれまでに実現できなかったゲーム体験を提供する

 一方、吉田氏は、各事業の進捗状況などについて触れた。ゲーム&ネットワークサービス事業では、2020年3月期第4四半期(2020年1~3月)の3カ月間で、「PlayStation Plus」の会員数が270万人増加して、2020年3月末時点で4150万人に達していることを示しながら、「今後、獲得したユーザーエンゲージメントを維持、拡大することが大切である。2020年年末商戦期に発売予定の『PlayStation 5』(PS5)の導入により、コンソールによるイマーシブ(没入感)なゲーム体験をさらに進化させたい」と発言。PS5に関する説明に時間を割いた。

 「PS5では、没入感を高めるために、解像度の向上に加えて、スピードの進化を行う。超高速SSDとカスタム設計により、『PS4』と比較して、約100倍のゲームデータの読み込み速度を実現する。これにより、ロードタイムをこれまでになく短くし、広大なゲームの世界を、ほぼ瞬時に移動することができる。ユーザーには切れ目がなく、没入感を持ったゲーム体験を提供できる。また、プレーヤーの五感に訴えかけるように、コントローラーも進化させる。クルマが泥道を走るときの重くずっしりとした感触や、弓を引き絞る時のような緊張感がある動作を実感できる。また、3Dオーディオ処理専用ユニットを搭載することで、多様で、複雑な3Dオーディオを実現する」と述べた。「音が自分の周りを動き回るような体験ができる。スピード、触感、音が一体になることで、次世代機に相応しい、これまでに実現できなかったゲーム体験を提供できる」。

「PS5」は没入感を高めるために、解像度の向上に加えて、スピードの進化させる
「PS5」は没入感を高めるために、解像度の向上に加えて、スピードの進化させる
コントローラーも進化する
コントローラーも進化する

 また、「PS5向けタイトルは、サードパーティー、ファーストパーティーともに準備が進んでおり、強力なラインアップを近々発表できる。PS5は年末の発売に向けて、ハードウェア、ソフトウェアの準備が進んでおり、予定通りにローンチできる見込みである」と、現時点では、発売計画に新型コロナウイルスの影響がないことを示した。

 さらに、「コンソールでの没入感があるゲーム体験に加えて、クラウドによって、いつでもどこでも、というシームレスなゲーム体験も提供する。2014年に、他社に先駆けて開始したクラウドストリーミングゲームサービスの『PlayStation Now』は、2020年4月末時点では、220万人を超える有料会員数を誇っている。また、この技術を活用して、追加料金がなく、iOSやAndroidでも利用できるリモートプレイ機能では、月間アクティブユーザー数が2.5倍になっている」と語った。

「PlayStation Now」は、2020年4月末時点では、220万人を超える有料会員数を誇る
「PlayStation Now」は、2020年4月末時点では、220万人を超える有料会員数を誇る

 音楽事業では、EMI Music Publishingの買収による音楽出版事業の強化とストリーミング市場の伸長により、安定成長が見込める事業となっていることを強調。「アーティストやカタログを巡る業界の競争はし烈さを増しているなかで、海外では、2019年8月に、音楽制作と音楽出版を合わせたSony Music Groupを発足した。また、『Most Talent Friendly Music Company』のビジョンのもと、レーベルと出版が力をあわせて、全方位でアーティストをサポートする体制も構築した」と述べた。さらに、「日本では、音楽やアニメ、キャラクタービジネスなどの多様なIPを軸にヒットを創出しているが、今後は、アーティストマネジメントが強化領域になる」とし、2019年夏に、インディーズアーティストの発掘や育成への取り組み強化、国内アーティストの海外配信をサポートするための『The Orchard Japan』を設立したことなどを紹介した。

 映画事業では、DTCサービスが続々と立ち上がり、コンテンツ需要が以前にも増して高まっている状況に触れながら、「ソニー・ピクチャーズでは、独自IPの展開とクリエイティブ強化に投資している。マーベルキャラクターによるソニー・ピクチャーズ・ユニバースを起用した作品づくりや、プレイステーション向けゲームのIPを、映画やテレビ番組にも展開。保有しているIPの再活性化にも取り組んでいる」とした。さらに、ソニー・ピクチャーズアニメーションを活用した幅広いジャンルにおける優れた映像エンターテインメントの製作を継続する姿勢もみせた。

 吉田氏は、「新型コロナウイルス感染症の拡大が、映像エンタテメイントに及ぼす影響は大きなものとなっている。クリエイティブコミュニティや劇場などのサプライチェーンパートナーと連携し、人に寄り添いながら、映像コンテンツの消費動向がどう変わるのかを見極めて対応していくことが必要だ」とした。

親和性の高いアニメとゲーム、「鬼滅の刃」ゲーム制作も

 今回の説明会では、開示上のセグメントでは、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画の各セグメントにまたがる「アニメ」についても言及した。

 「日本のアニメコンテンツは過去5年で約1.5倍の伸びを見せているが、成長をけん引しているのが、売上げの半分を占める海外での展開である。ソニーは日本に本社を持つグローバルエンタテイメント企業である。アニメDTCサービスを通じて日本のアニメを世界中に届けることにグループをあげて貢献する。アニメとゲームは顧客層という点でも親和性が高く、『PlayStation Network』を活用したアニメのプロモーションも強化する。社会現象となっている『鬼滅の刃』のアニメ化に加えて、モバイルゲームやPS4向けゲームの制作も進める」と述べた。また、成長が見込まれる中国でのデジタルエンタテインメントに関しては、これまで行ってきた現地企業との資本提携に加えて、アニメやゲーム、音楽などの領域で現地企業との関係を強化する考えを示した。

 一方、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業については、「創業以来、ソニーが送り出してきたエレクトロニクス製品は、ソニーというブランドを築き上げてきた主役である」と位置づけながら、「今後は、ソニーの商号を受け継ぎ、価値向上を目指す。高付加価値商品に注力してきたエレトクロニクス領域においては、クリエーターから、ユーザーまで、音、映像、通信の技術によって、リアリティやリアルタイムを極める商品、サービスを展開。さらに、今後は、リモートを極めていくことになる」と、新たな取り組みを示した。

 吉田氏は、「コロナ危機によって、人と人、人とモノを遠隔でつなぐリモートソリューションへのニーズが高まっている。ソニーが放送分野で培ってきた技術を生かして、撮影や中継、編集のリモート化や、遠隔での音楽ライブの開催など、新たな領域にも展開したい」と述べた。また、「新型コロナウイルス感染症拡大が、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業における商品需要や、サプライチェーンに大きな影響を与えており、環境変化に応じた体質の強化に取り組まなくてはならない。さらに、購買行動にも変化が生じている。だが、これは、購買行動のリモート化といえるものであり、ソニーは、そこにも対応していきたい」とした。

 また、同事業に含まれるメディカルでは、「長年培ってきたイメージング、ディスプレイ、メカトロニクスの技術を活かし、長期視点で、人々の健康に貢献する取り組みを一層強化する」と語った。

 なお、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業の方針については、「8月上旬に予定している第1四半期決算発表後、できるだけ早い時期に説明会を開きたい」と語り、この時点で具体的な事業戦略が示されることになりそうだ。

 イメージング&センシングソリューションズ事業は、足元のスマホ需要の減速に伴い、設備投資計画の見直しを行っている段階にあるが、「イメージングでの世界No.1を堅持するとともに、センシングでも世界No.1を目指す目標に変更はない」と宣言した。

 その上で、「イメージセンサーは売上げの80%がスマホ向けであり、市場の伸びは大きくは見込めない。だが、スマホカメラの多眼化が継続して進んでおり、安定した市場だとみている。引き続き、技術開発を進め、市場での優位性を維持したい。また、モバイル機器でのセンシングの採用拡大が期待できるほか、長期的には、車載向けセンシングの成長にも期待している。車載分野でのシェアは低いが、スマホやAVで培った技術を生かせると考えている。まだ、クルマのことを十分に理解していない段階であり、しっかりと学んで、モビリティに貢献できれば、最終的には長期的な企業価値の向上につながる」と述べた。

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