KDDI高橋社長、楽天モバイルの通信量上限の変更は「正直寝耳に水だった」 - (page 2)

新型コロナ影響で2020年度業績は横ばいと予想

 高橋氏はさらに、2021年3月期の業績予想についても言及した。新型コロナウイルスの影響を織り込んだ上で、売上高は5兆2500億円、営業利益は1兆300億円と、今期とほぼ同じ水準になるとの予想を打ち出している。

 高橋氏によると、新型コロナウイルスの影響に関しては「3〜4月に、どの程度影響が出るのか社内でかなり議論し、この程度であれば今期と同じくらいの業績を作ることができると判断した」という。今後の感染拡大状況にもよるとしながらも、持続的な成長を掲げていることもあってポジティブな業績予想を打ち出すに至ったようだ。

 2021年3月期の業績予想も発表。新型コロナウイルスの影響を強く受ける形で、売上高・営業利益ともに今期とほぼ横ばいの業績予想としている
2021年3月期の業績予想も発表。新型コロナウイルスの影響を強く受ける形で、売上高・営業利益ともに今期とほぼ横ばいの業績予想としている

 現在の新型コロナウイルスによる影響に関しては、テレワークの拡大で音声の利用が伸びている一方、外出自粛のため固定回線へのオフロードが増えていることもあり、固定回線のデータ通信は増えているが、モバイルのデータ通信はむしろ減少しているのとのこと。ただ、高橋氏は「安心してデータ通信を使いたい人も多くいる」と話し、5Gでは定額プランの「データMAX 5G」の利用が6割以上となるなど大容量プランを選ぶ人も増えているとのことだ。

 新型コロナウイルスの主な影響。通信サービスはテレワークの増加で音声が伸びる一方、固定通信へのオフロードが増えモバイルでのデータ通信はむしろ落ちているという
新型コロナウイルスの主な影響。通信サービスはテレワークの増加で音声が伸びる一方、固定通信へのオフロードが増えモバイルでのデータ通信はむしろ落ちているという

 また、auショップの販売店が営業時間を短縮するなど、販売店にも大きな影響が及んでいるが、高橋氏は「まだ分析が進んでいないが、4月の業績を見ても、業績に大きなインパクトがあるものではないと思っている」と回答。営業縮小を余儀なくされている販売代理店に対しても、何らかの支援策を実施していくことを明らかにした。

 ただ今後に関しては、テレワーク需要の拡大など新しい需要が生まれることと、5Gの利用が進むことで事業拡大にプラスの面も出てくるのではないかと高橋氏は話す。そこで複数のネットサービスを組み合わせた「データMAX 5G ALL STARパック」に類する、通信とサービスをセットにした法人向けのソリューションなども展開していくことで、新しい需要を捉えていきたいとの考えを示した。

 高橋氏によると、現在の5Gの契約数はNTTドコモと同水準とのことだが、定額プランが6割を超えているとのこと。今後はテレワーク需要も見据え、「データMAX 5G ALL STARパック」に類するサービスを法人向けにも展開したいとしている
高橋氏によると、現在の5Gの契約数はNTTドコモと同水準とのことだが、定額プランが6割を超えているとのこと。今後はテレワーク需要も見据え、「データMAX 5G ALL STARパック」に類するサービスを法人向けにも展開したいとしている

 ただ、その5Gに関しては、新型コロナウイルスが機器調達や工事に影響し、エリア整備に遅れが出るとの見方も出ている。高橋氏は一部工事ができない場所が出てきてはいるものの、「今のところ順調に進んでいる」と、現在は計画通りに進んでいると説明。機器調達に関しても「パートナーからはサプライチェーンが大幅に崩れて工事が遅れるという話は今のところ入っていない。一部影響が出るかもしれないが、それほど出ることは想定していない」と答え、影響は小さいとの認識を示した。

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