自宅で旅行気分が味わえるスマート窓「Atmoph Window 2」はテレワークの強い味方

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、多くのビジネスパーソンが在宅でのテレワーク生活を送っている。4月7日に緊急事態宣言が発令されてからちょうど1カ月。テレワークが長期化し、自宅から出られないことにストレスを感じている人も多いのではないだろうか。

 私もその一人だが、テレワークに突入して2週間ほど経った4月中旬に、ある商品が自宅に届いた。世界中の景色動画を映し出す窓型のディスプレイ「Atmoph Window 2」(価格は4万4800円)だ。もともと、1月下旬には発送される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で海外からの輸送便が欠航。結果的に、テレワーク真っ只中の4月に届く形となった。

窓型ディスプレイ「Atmoph Window 2」
窓型ディスプレイ「Atmoph Window 2」を自宅に置いたところ

 このAtmoph Window(アトモフウィンドウ)は、元任天堂の社員である姜京日氏と中野恭兵氏の2人が創業したアトモフが開発した、世界中の景色の映像を切り替えながら楽しめるスマートなデジタル窓だ。壁やデスクに置いてWi-Fiに接続するだけで、ドラえもんの「どこでもドア」のように、さまざまな国や地域に“瞬間移動”したような気分を味わえる。デバイスを3枚連動させて、パノラマ写真のように横に広い1つの映像を表示することもできる。実際にこちらの動画を見てもらうのが早いだろう。

3枚を並べるとパノラマになる
3枚を並べるとパノラマになる

 現在、世界中の1000カ所の景色が配信されており、随時新しい景色が追加されている。たとえば、スペインのサグラダ・ファミリアや、カナダのナイアガラの滝、ペルーのマチュ・ピチュなど、人生で一度は訪れたい世界名所の景色のほか、淡路島の花火大会や京都水族館の大水槽といった日本ならではのコンテンツも多数取り揃えている。さらに、火が燃える暖炉や昼寝する猫をひたすら眺められるユニークな映像などもある。利用者は、風景が見放題になる月額980円のサブスクリプションプランに加入するか、590円で単品購入をするかを選べる。

世界中の1000以上の景色を配信している
世界中の1000以上の景色を配信している

「スマート窓」を開封--自宅で飾ってみる

 今回私が購入したのは、2015年に発売された初代モデルから改良を重ねた次世代機である「Atmoph Window 2」。2019年の春からクラウドファンディングを開始し、「Indiegogo」と「Makuake」でそれぞれ5000万円以上の支援を集めた。もともと初代の頃からAtmoph Windowが気になっていた私は、次世代機のクラウドファンディングが始まると知って、すぐさま購入支援。それからちょうど1年が経ち、ついに我が家にやってきたのだ。

 早速パッケージを開封すると、ホワイトのフレームを装着したAtmoph Window 2本体と、電源アダプタ、そして簡易的な解説書が同梱されていた。使い方は簡単で、好きな場所に設置して電源ケーブルを挿すだけだ。あとは画面に表示されるガイドに従って、Wi-Fi設定や料金プランの選択をするだけで、10分ほどですぐに景色を楽しめるようになる。

Atmoph Window 2のパッケージ
Atmoph Window 2のパッケージ
本体がお目見え。ホワイトフレームを選択
本体がお目見え。ホワイトフレームを選択
同梱されている電源アダプタ
同梱されている電源アダプタ

 肝心の設置場所だが、せっかくなのでリラックスできるリビングに置きたいと思い、ダイニングテーブルの近くの壁に釘を打って飾ることにした。本体サイズは高さ638mm×幅372mm×奥行き57mm、重量は4.5Kgと、意外と大きく重たいので、壁に立てかけるという手もあるが、思い切って壁にかけると一気に“窓っぽさ”が増す。

壁にかけると一気に窓っぽさが出る
壁にかけると一気に窓っぽさが出る

テレワークの「マストアイテム」に

 さて実際の使用感だが、リビングに設置してから2週間ほど経ったいまでは、このスマート窓がテレワークには欠かせないアイテムとなっている。自宅で仕事をしているとどうしても作業に没頭してしまうため、息抜きをするタイミングを忘れてしまう。そんな時に、ふと壁に目を向けると流れている世界各国の美しい景色には、思った以上に癒される。気づけば毎日起動して、景色を楽しみながら仕事をすることが習慣になった。

 当初は面白がってランダムに景色を再生していたが、2週間も使っていると、だんだんとシーンごとに見たい"お気に入り”の景色が見つかってくる。私の場合は、たとえば仕事中には川のせせらぎや綺麗な海の波打ち際、魚が泳ぐ海中など、水が流れている景色が見たくなる。一方で食事中やオフの時間には、過去に旅行にいった観光地(イタリアのサン・ピエトロ大聖堂など)や、訪れてみたい世界の街(米ラスベガスの夜景やエジプトのピラミッドなど)の景色を楽しむことが多い。

キャプション
仕事中のお気に入りの景色。左から「上高地の河童橋(長野県)」「ステージリーフの海中(モルディブ)」

 また、私には現在2歳の子どもがいるが、スマート窓に映し出される美しい魚群が泳ぎ回る映像や、世界各国の名所などをみて喜んでいる。YouTubeなどで映像を見せると没頭してしまうし、関係ないの動画などを再生してしまう可能性もある。Atmoph Windowなら日々の暮らしの中で、自然と世界を身近に感じてもらえるし、もしそれで海外に興味を持ってもらえたら親としても嬉しい。そんな、利用者によって十人十色の使い方ができるのも、Atmoph Windowならではの魅力だろう。

機能面には課題も--アップデートに期待

 Atmoph Window 2は当初は最低限の機能から提供しており、景色の検索機能などはまだ実装されていない。そのため、メニュー画面から「最新」または「人気」の景色一覧から好みのものを選ぶか、同社が用意したプレイリストから再生するしかない。この点は早期に検索機能が欲しいところだ。(追記:5月26日にリリースされたバージョ「1.6.2」において、風景の検索機能が実装され、さまざまな風景にアクセスしやすくなった)

 また、操作は本体下部にあるボタンでできるが、あまり操作性がいいとは言えない。同社が提供しているAtmoph Window 2のスマホアプリが使いやすいのでオススメだ。家族などで利用する際には、物理的なリモコン(1900円)を別途購入するのがよいだろう。我が家はこのリモコンを追加購入して、劇的に操作しやすくなった。

メニュー画面から景色を選ぶ
メニュー画面から景色を選ぶ
操作は専用アプリかリモコンがオススメだ
操作は専用アプリかリモコンがオススメだ

 なお、今後は世界のリアルタイムの映像が楽しめるライブストリーミング機能、ユーザーのスマホ動画をアップロードできる機能、部屋を見守るインドアカメラ機能、スマートスピーカーとの連動機能なども追加される予定。これらの機能によって、活用の幅がさらに広がりそうなので、実装を楽しみに待ちたいと思う。

 Atmoph Window 2の価格は、ベーシックモデル(カラーは、ホワイト、ブラック、ペールブルー、サーモンピンク、フォレストグリーンの5色)が4万4800円。カリモクの木製フレームを使ったウッドモデルが6万9800円。現在は第1〜2ロット(3000台)分は完売しており、第3ロット分が2020年8月末ごろに発送予定となっている。

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