リモートワークと#iPadOnly (2):最適なモデルの探し方 - (page 2)

カバー一体型ケースが利用できないのはiPad miniだけ

 iPad Proが登場した2015年から、キーボード一体型カバー「Smart Keyboard Cover」が用意された。ファブリック素材のキーボードを折りたたむ仕掛けになっているiPadカバーで、キーボードを使う際にはiPadを横長に立てて使うことができる。

 10.5インチiPad Proが登場した際に作られたSmart Keyboard Coverは、そのままiPadとiPad Air向けに転用されたことで、iPadの10インチ以上の全てのモデルにキーボードカバーが純正オプションとして用意された。

Smart Keyboard Folio
Smart Keyboard Folio

 現在のiPad Pro向けには背面もカバーできるSmart Keyboard Folioが採用され、iPad Proの傾きを2段階用意し、デスク上、膝の上ともに良いバランスと角度での作業環境を確保できるようになった。

 そして、iPad Pro向けには、5月30日発売のMagic Keyboardが控える。MacBook Pro 16インチ、MacBook Airに既に採用されたキーの深さ1mmの打ちやすいキーボードを備え、まるでiMacのような姿でiPadを宙に浮かせて固定する、アクセサリだ。トラックパッドも備わる。2020年モデルのiPad Proだけでなく、2018年モデルにも利用できる。

Magic Keyboard(日本語)
Magic Keyboard(日本語)

 ちなみにAppleによると、ロジクールから、iPad Pro以外のiPad(おそらく10インチクラスで同じサイズのiPadとiPad Air向け)に、キーボードとトラックパッドを備えるアクセサリが登場する予定だという。

 このように、10インチ以上の画面を持つiPadは、キーボードを利用する前提が敷かれたことが分かる。一方iPad miniに純正キーボードアクセサリが用意されなかった理由は、7.9インチの画面サイズにフィットするキーボードが打ちやすいレベルにならなかったからだろう。

 しかしiPadOSは共通であることから、iPad miniでもApple純正もしくはサードパーティーのBluetoothを通じてキーボードとトラックパッドを接続することができる。

まずはiPadを基準に

 iPadのラインアップの全体像をつかんだ上で、最適なiPadはどれになるのか?

 テレワークやオンライン講義を前提にする場合、キーボードの打ちやすさや画面の広さは重要な条件となることから、10インチクラスのiPad、iPad Air、iPad Proが前提になってくる。

 パソコンが別にある場合はiPad(第7世代)を選択してコストを低減するのも手だ。夫婦で別々にデバイスが必要になったり、学校に通う子どもにデバイスが必要になったりした場合、できるだけ安くデバイスの数が増やせた方がいい。

 もし少し長い目でデバイス活用を考えたり、通常の仕事環境に戻ってからモバイルコンピュータとしての活用を考えるなら、iPad AirのWi-Fi + Cellularモデルがおすすめだ。LTE通信の可能性については、次の原稿に譲る。

 なお、iPadに搭載されるA10 Fusionプロセッサは2016年モデルのiPhone 7シリーズに搭載されてきた64ビットデュアルコアチップで、処理性能の参考となるGeekbench 4のマルチコア6065前後、Metalグラフィックスは13426だ。

 このスコアであっても、MacBook Airでいえば2018年モデル、グラフィックスは2015年モデルと同等のレベルになる。

 これに対してiPad Airには2018年モデルのiPhone XSに搭載されたA12 Bionicチップが搭載されており、同じくGeekbench 4のマルチコア11433と1.8倍、Metalグラフィックスも21645前後で1.6倍の処理性能となる。

 確かにビデオ編集や3Dグラフィックス処理、ゲームなど瞬発的なマシンパワーが必要とされるアプリでは、iPad Airが有利になる。しかし例えばワープロや表計算などの作業に差が出るかと言われると、そうでもない。

 iPad Airのアドバンテージは処理性能とともに、比べると一目瞭然の画質を誇るディスプレイだ。より画面表示にこだわりたい、あるいは少しでも写真やビデオなどに関わる仕事ならば、iPad Airを選択すると良さそうだ。

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