農林水産省は4月17日、第1回「フードテック研究会」を開催した。会議はウェブ会議システムを活用。80の企業や団体から約200名が参加し、将来的なタンパク質の供給の多様化について議論した。
世界的な人口増加や中所得国・低所得国の経済成長を背景に、将来的に食肉等の畜産物の需要が増加すると見込まれている。
海外では代替肉などの新たな需要に注目が集まっており、特に環境面やファッション性などの観点から若い層に支持されている。新たなたんぱく源の分野では、国際的にルール形成なども進展を見せ始めている。
一方の国内では、超高齢化社会において、タンパク源の安定的な供給も重要になっている。飼料などを輸入に頼っており、飼料の国産化やタンパク源の多様化も必要だ。また、農林水産省が掲げる2030年までに農林水産物・食品の輸出額5兆円という政策目標の達成に向けて、新たな食ビジネスの育成が課題でもある。
そうした背景から官民協議の場を設け、業界共通の課題を認識。ビジョンなどの共有や社会文化の形成、先進的な研究開発の促進、市場創出を促進するルール形成、資金・人材の供給体制の整備といった4つの取り組みに向け動き始めた。
長期的には、次世代フードシステムの構築により、完全資源の循環、高いQOLの実現を目指す。今後10年程度をめどに国外の新市場(海外市場や宇宙市場など)で稼ぐ産業の育成や、不測の事態でも国内食料安定供給を支える技術の確保に寄与するものを特定とし、解決策の方向性を明確化していく方針だ。
第2回は4月24日を予定しており、ウェブ会議システムで第1回目と同様に非公開で行われる。6月をめどに中間取りまとめをする方針。
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