セキュリティ対策として、ユーザー認証を済ませないと機能が限定されたり、まったく使えなかったりする仕組みがよく設けられる。スマートフォンの画面ロックは、その一例だ。必要なこととはいえ、目的とする操作の実行前に手間が増えて煩わしい。
これに対し、Appleはユーザーの装着した認証済みデバイスで別のデバイスをロック解除する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2020年2月27日に「AUTHENTICATED DEVICE ASSISTED USER AUTHENTICATION」(公開特許番号「US 2020/0068389 A1」)として公開された。出願日は2019年4月16日。
この特許は、ユーザーが装着した何らかのデバイスを使い、近くにあるデバイスをロック解除する技術を説明したもの。装着しているデバイスはあらかじめユーザー認証済みで、ユーザーが近くにあるデバイスを使おうとしていることを何らかの方法で認識したら、ユーザー認証済みであることを近くにあるデバイスへ伝える。これを受け、その近くにあるデバイスはロックを解除し、ユーザーに対して機能を開放する。
ユーザーが装着するデバイスとしては、スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスと、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)が想定されている。近くにある操作対象デバイスの検出は、無線データ通信の結果や、カメラで取得した画像解析の結果から実行する。
この特許技術が実用化されれば、HMD越しに見たPCへ自動ログインする、スマートウォッチを近づけてiPhoneのロックを自動解除する、といった動作が可能になるだろう。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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