具体的に言うと、Biden氏は通信品位法230条の改定を求めている。230条とは、Facebookなどのオンラインプラットフォームが、第三者によって投稿されたコンテンツについて法的に免責されるという条項である。さらに、同条では、各社が「誠実な」取り組みとしてプラットフォーム上でモデレーション(投稿内容の制御)をすることも法的に擁護される。
「(The New York Timesが)虚偽であると分かっている記事を書いて、法的に免責になることはない。だが、彼なら免責される」。2020年1月、Biden氏は、FacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏に言及しながら、The New York Times編集委員会にこう語った。
Biden氏は、230条を「ただちに破棄すべきだ。最優先に。Zuckerberg氏のところだろうと、他のプラットフォームだろうと」と述べ、さらにこう続けた。
「破棄すべきなのは、Facebookがインターネット企業だからという理由だけではない。Facebookは、虚偽と知りながら虚偽を拡散している。プライバシーに関して欧州で実施されているのと同等の基準を設けるべきだ」
一方、Facebookをはじめとするシリコンバレー各社は、230条を擁護してきた。それでも、業界として脅威だと感じられているのは、Biden氏ではなく、むしろWarren氏の方なのだ。そして、COVID-19が猛威をふるう今となっては、テクノロジー大手を解体するという考えは、後回しになる可能性がある。
2020年大統領選に向けた遊説中には、データプライバシーについてあまり触れなかったBiden氏。だが、上院議員時代を通じて、また1990年代に上院司法委員会の委員長を務めた時代に、同氏は連邦捜査局(FBI)や警察当局が通信を監視しやすくなる法案のいくつかを提出あるいは共同提案している。例えばCommunications Assistance for Law Enforcement Act(捜査当局による通信傍受の援助法)もそのひとつで、IP電話などのインターネットトラフィックも含めたインターネット上の通信を捜査当局が監視することを認める法律である。
Biden氏が1990年代に提出した法案が、ほかにも2つあった。Comprehensive Counter-Terrorism Act(包括的なテロ対策法)と、Violent Crime Control Act(暴力犯罪取締法)で、どちらにも強硬な暗号化対策が盛り込まれている。例えば、テロ対策に関する同氏の法案では、「法律によって適切に権限を与えられた場合」には、政府関係者が電子サービスプロバイダーからデータや通信内容を入手できることになるところだった。
この法案は可決に至らず、テクノロジーはその後、進歩を遂げている。だが、この法案が狙っていたことは、Wiliam Barr司法長官の要求にも類似している。Barr司法長官は、捜査当局が暗号化されたデータにアクセスできるようにデバイスにバックドアを設けることを、テクノロジー企業に要請していた。
民主党は全面的に、Trump大統領の対中国関税政策を批判している。関税とは、外国から輸入される商品について輸入者に課せられる税金で、Trump大統領は、それを武器にさらに広範囲の貿易問題をめぐって中国政府に圧力をかけているのだ。スマートフォン、ノートPC、タブレットなどの製品に対する15%の関税を含む第2ラウンドが発効したところで、次のラウンドは、いわゆる「第1段階」の貿易協議で延期された。
遊説中、Biden氏を含む民主党候補者は、中国問題をどう扱うかについて具体的にはあまり言葉を費やさなかった。だがBiden氏は、Trump大統領の対中交渉が米国内の農業従事者や製造業者を苦しめているという考えを明らかにし、諸外国との貿易関係を決めるために、米国には「新しいルール」と「新しいプロセス」が必要だと話している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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