人工呼吸器は、新型コロナウイルスとの闘いにおいて最も重要な医療機器のひとつであり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者の生命を維持する上で役立つ。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が拡大するなかで、感染者が特に多い国の医療機関は、人工呼吸器の供給不足に陥っている。そうした中、一部のメーカーは人工呼吸器の不足に対応しようと取り組んでいる。Teslaは、ニューヨーク州にある自社工場「ギガファクトリー」を利用して、人工呼吸器の生産に協力しようとしている。
Teslaのエンジニアリング部門は米国時間4月5日、同社独自の人工呼吸器に関する最新情報を公開した。エンジニアリング担当ディレクターのJoseph Mardall氏によると、この人工呼吸器は「Teslaの自動車部品を多数使用している」という。YouTubeに投稿された4分間の動画で、Teslaの「Model 3」に使われているものと同じパーツを多く用いた人工呼吸器の試作品が披露された。
Teslaの電気自動車向けに設計、構築された医療グレードのコンポーネントと部品が、機器を通じて酸素と空気の混合気を送り込む働きをする。人工呼吸器は一般に、COVID-19の重症患者に使用される。
Teslaのエンジニアリング部門の動画で紹介されている試作品の人工呼吸器は、主にModel 3のインフォテインメントシステムによって動作する。センターディスプレイのタッチ画面をモニタリング用のユーザーインターフェースとして、インフォテインメントシステムのマザーボードを主要なコンピューティングシステムとして使用する。
Tesla製の人工呼吸器の生産開始までどれくらいかかるのかは不明だが、車両エンジニアリング担当バイスプレジデントのLars Moravy氏によると、開発はまだ初期段階にあるようだ。
同氏は「まだやるべきことが多くあるが、必ず人々を助けられるよう最善を尽くしている」としている。
米CNETはTeslaにコメントを求めたが、回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」