Mercedes-BenzのF1エンジン部門とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究者が協力し、新型コロナウイルス感染者向けの呼吸補助装置を100時間足らずで開発した。同装置は、英国の国民保健サービス(NHS)における使用がすでに承認されている。
現地時間3月18日から、研究者とエンジニアはUCL付属病院の臨床医らと共同で呼吸補助装置の開発に取り組んでおり、これから臨床試験が行われる。英国の規制当局である医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が装置の使用を承認しており、1週間のうちにはMercedesが1日あたり1000台の装置を製造して、速やかに医療機関へ納入できるようにするという。
この呼吸支援装置はCPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)と呼ばれる機械で、患者の鼻と口を覆うマスクから空気と酸素を混合した気体を継続的に送り込んで呼吸を助ける。重篤な患者の治療に必要な人工呼吸器では、患者に鎮静剤を投与して気管挿管しなければならないため、それに比べてCPAPは侵襲性の低い治療手段といえる。
人工呼吸器が世界中で必要となり、英国での供給が不足する中、CPAPを使用すれば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症して入院後、集中治療室で人工呼吸器の装着が必要になる患者の数を減らせると期待されている。UCLのプレスリリースによれば、CPAPを使用した患者のおよそ50%が人工呼吸器を回避できたとする報告がイタリアから上がっているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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