独学や自習に関する本は、これまでにもたくさん紹介してきたが、著者個人のやり方や考え方を紹介しているものがほとんどだった。しかし本書の「ウルトラ・ラーニング」は、個人の取り組みから始まっているとはいえ、数多くの事例や検証を元に整理され、構築された汎用性の高いプログラムになっている。何かを習いたい、習得したいと思っているなら、闇雲に勉強を始めるよりも、まずは本書で「習得する」とはどういうことかを把握してからにすると良いだろう。
本書で扱われている学習内容は、言語、楽器、数学など多岐にわたる。「ウルトラ・ラーニング」では、まず「学習について学習」し、どういう道筋で学んでいくか「地図」を書く。到達レベルの目標を定め、そこに至るまでに必要なことを洗い出していくのだ。「なぜ」「何を」「どうやって」ということが明確であるほど、効果が高いようだ。
本書自体のボリュームもかなりのものなので、「おわりに」にある「ウルトラ・ラーニングについての私の結論」で、著者の結論を掴んでから詳細を読むのがお勧めだ。家にいることを余儀なくされている間に、家でできることを駆使して、何かを習得するというのもいいなと思える。
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