パナソニックが「Vieureka(ビューレカ)カメラ」で、人々の動きのデータ化に乗り出す。映像をAI処理し、ディープラーニングなど画像解析することで、来客分析などのマーケティングや欠品検知といった仕事効率化を後押しする。4月2日には、CPU性能を向上した新機種「VRK-C301」を発表。監視、防犯にとどまらない新たなカメラの活用を加速させる。
Vieurekaは「Vieurekaプラットフォーム」として2017年に開発を発表。クラウドからカメラ内に搭載された画像認識機能を容易に入れ替えられ、制御や動作状況の監視を可能にしたことが特徴だ。Vieurekaプラットフォームと名付けている通り、エッジデバイスとなるカメラとクラウドを組み合わせたシステムになる。
VRK-C301では、高性能CPUを搭載し、ディープラーニングなど高度な画像解析を実現。現行機では人数カウントや滞留時間、属性推定などにとどまっていたが、解析範囲の拡大により、棚にあるどの商品を手にとったかなどの動作まで検知できる。
小売店鋪などでの来店客分析のほか、社員の入退室管理、介護施設などでの離床検知などに使われており、数多くのアプリに対応。プラットフォームとして、遠隔アップデート、遠隔保守・管理に加えアプリ開発も支援しているため、開発環境をゼロから作る必要がなく、「Vieurekaパートナーコミュニティ」としてセミナー活動も実施。開発言語もC/C++に、Python Ver.3.7、AWS IoT サービスもサポートした。
パナソニック テクノロジー本部事業開発室エッジコンピューティングPFプロジェクト総括担当 宮崎秋弘氏によると「監視カメラ市場は年間6600万台強と言われており、今後5~10年間のうちに2~3割がAIカメラになると予測している。今までは、カメラに映像を貯めるだけだったが、人がどんな動きをしているか、交差点に何台車が通り、いつ渋滞が起きているかなど、カメラを使って今まで定量化されていなかった部分を定量化することで、社会課題を解決していきたい」と今後を見据える。
VRK-C301はCPU向上に加え、天井吊り下げ、卓上設置、壁面設置など施工不要の簡易設置を実現したほか、望遠レンズモデルにより、少し遠くの位置に設置することで、カメラの存在感、圧迫感を抑えるなどの改良を施し、より生活に馴染むスタイルへと進化しているという。
パナソニックによると、従来の監視カメラはカメラやバックヤードに置くPC、カメラ設置工事などを合わせ、数百万円~のコストがかかったというが、Vieurekaカメラに置き換えることで、コストダウンにもつながるとのこと。今後は中期目標として売上10億円を目指したいとしている。
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