ワークスモバイルジャパンは3月30日、同社が提供しているビジネスチャット「LINE WORKS」について、神奈川県が災害発生時に県と県内消防本部が一丸となって県内の被災地を応援する「かながわ消防」の取り組みにおいて本格導入したと発表。初動対応力強化を目的としたものという。
今回の導入は、神奈川県とワークスモバイルジャパン、トランスコスモスが、2019年8月28日に締結した「かながわ消防の初動対応力の強化に関する協定」に基づくもので、同年10月から行われたLINE WORKSの試行運用を経て、本格運用を開始する。
神奈川県では、単独の消防本部だけでは対応できない大規模災害が発生した際に、神奈川県と県内消防本部が一丸となって県内の被災地を応援する、かながわ消防の取り組みを進めている。
これまで、県及び消防本部間での災害発生の伝達や被害状況の共有、応援部隊の調整などを電話やFAXで行なっていたが、電話やFAXでの情報共有は情報伝達が遅延する原因になっていたという。
このため神奈川県と各消防本部がスムーズに情報共有でき、より迅速に救助活動や消火活動の開始ができる初動対応力の強化が求められていた。このような背景から、神奈川県とワークスモバイルジャパン、トランスコスモスの3者は、かながわ消防の初動対応力の強化に関する協定を締結。課題抽出やLINE WORKS運用ルールの策定、意見交換会、災害を想定した検証会などを重ねてきたという。
2019年10月に上陸した台風19号に伴う災害時には、LINE WORKSの運用により、電話やFAXと比較し、被害状況などの情報共有速度が向上したほか、アンケート機能を用いた部隊状況の把握により、被災地に派遣する応援部隊を効率よくとりまとめることが可能となった。また、LINE WORKSの既読機能を活用することで、電話連絡は未読の消防本部のみに絞るなど、神奈川県職員や被災地職員の業務効率化にもつながったとしている。
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