自分の家にスーパーコンピューターがある人はいないだろう。それでも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と戦う世界最速のコンピューターの隊列に加わることができないわけではない。ボランティアプロジェクト「Folding@home」では、誰の家にもあるようなごく普通のPCを大量に組織し、この感染症を引き起こすウイルスの大規模なデジタルシミュレーションをバイトサイズの大量のブロックに分割して実行している。
Folding@homeの目的は、病気のメカニズムを分子レベルで解析し、治療に利用できる弱点を突き止めることにある。このプロジェクトが提供しているソフトウェア(「Windows」版、「Linux」版、「macOS」版が用意されている)は、Folding@homeのサーバーからごく小さなジョブを取得して演算を実行し、その結果を戻して研究調査に役立てる。また、1つのジョブの処理が終わると、次のジョブを取得してコンピューターで処理する。
Folding@homeは20年ほど前から、アルツハイマー病やエボラ出血熱といった病気と戦ってきた。だが、今回のパンデミック(世界的大流行)によって、COVID-19のプロジェクトが大きな注目を集め、この取り組みを支援する人が増えている。
Folding@homeのディレクターで、セントルイス・ワシントン大学で生化学と分子生物物理学のアシスタントプロフェッサーを務めるGreg Bowman氏によると、COVID-19プロジェクトへの参加者はこの3週間に「ものすごい勢いで急増」しており、すでに活動中だった3万人に、70万人を超える新たなボランティアが加わったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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