アマゾンの実店舗、もう7種類に--狙いは何なのか - (page 2)

Ben Fox Rubin (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年03月12日 07時30分

Amazonが用意している戦略

 明らかなのは、こうしたすべての取り組みが、Amazonが実店舗への関心を高めているのを示しているということだ。同社にとって、実店舗小売市場は巨大な可能性を秘めている。Amazonは米国最大のEコマース業者ではあるが、オンライン販売が小売全体に占める割合はわずか11%なので、実店舗への進出は、健全な成長を維持するための1つの手段になる。だが、Amazonが無数の新店舗を開店して実店舗市場に盛大に進出しようとしているとのうわさが何年も飛び交ってきたにもかかわらず、同社は、それよりもはるかに緩やかなアプローチをとっている。コンセプト店舗を少数展開し、まだ特定のアイデアに絞り込んではいないようだ。

 この実店舗拡大の動きには、大きなリスクもある。米国では多くの実店舗が閉店しており、いわゆる小売の終末期の最中にAmazonは実店舗市場に進出しようとしているからだ。最近では、オンラインで買い物をする人がさらに増えているが、その大きな理由がAmazonにある。

 Amazon Go Grocery(1店舗)に加えて、同社はレジなしコンビニの「Amazon Go」(25店舗、今後さらに1店舗開店予定)、キオスク型の「Amazon Pop Up」(5店舗、今後さらに1店舗開店予定)、書店チェーンの「Amazon Books」(21店舗、今後さらに2店舗開店予定)、同社ウェブサイトで評価が星4つ以上の商品などを販売する「Amazon 4-star」(11店舗、今後さらに10店舗開店予定)、注文した食料品の受け取り場所として機能する「Amazon Fresh Pickup」(2店舗)、高級スーパーのWhole Foods(500店舗)を運営しており、ロサンゼルス向けに計画されたAmazonブランドの食料品店も開店する予定だ。一方、2019年には、米国内のショッピングモールに出店していた期間限定のポップアップストア全87店舗を閉店している。

 この戦略は、Amazonがよくやっている典型的なものだ、とeMarketerの小売アナリストのAndrew Lipsman氏は指摘する。Lipsman氏によると、Amazonは何がうまくいくのかを見極めるために、さまざまなアイデアを試しているところだという。同社は、スマートスピーカーの「Echo」シリーズや発送方法に関しても、これと同じことをしている。2019年に116億ドル(約1兆2000億円)もの利益を上げたのだから、実店舗に関しても、そうしたアプローチをとっても問題ないだろう。

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