従来から搭載しているvSLAM(ビジュアル・ナビゲーション・システム)は本体上部のカメラと裏面のフロアトラッキングセンサー、車輪のエンコーダーにより部屋を平面的に認識し、掃除をすることで家の地図を作り記憶、部屋別に認識して効率よく掃除できる。今回、3Dセンサーの搭載とともに、クアッドコア1.2GHzのCPUを搭載したことで処理性能が向上し、位置情報、障害物情報を瞬時に処理してより効率よく掃除ができるようになったという。
「Imprintスマートマッピングには、学習・マッピング・適用という要素を盛り込んでいる。1回目では最適化した掃除はできない。掃除をするごとに学習を繰り返し、AIが最適なパワー、ルートを判断して、短い時間で効率よく掃除ができるようになる。ユーザーはそれぞれの部屋に名前をつけ、キッチンだけ掃除したい、このエリアは掃除してほしくない、何時からこの部屋をこのモードで掃除してほしい、ということが簡単にアプリでできるようになる。もちろん、スマートスピーカーに対応しているので声での操作も可能だ」
こうした個々のルンバの動作情報はクラウドに集められ、部屋がどういう状態のときにどういった不具合がでるのか、どういう間取りに対してどういった動きをするのかなど分析、3カ月ごとにファームアップしてより賢く掃除するようになるという。「センサーやマップの情報をAIが判断して効率的な掃除をするようにしているが、AIの活用はまだまだ不十分。ユーザーがロボット掃除機に求めるものに応えるため、よりカスタマイズしていく。CPUパワーアップと3Dセンサーはその成長のための余地を持つためのものでもある」。
米国では今、あるベータテストが行われている。ルンバが家中を動き回ることで家の中のWi-Fi強度マップを作るというものだ。「このマップでWi-Fi対応デバイスをどこに置けばよいかの判断ができる」としているが、Wi-Fi搭載機器の位置情報をマップに載せることも可能となるらしい。どの部屋のどこに、どういうデジタル機器・家電機器があるのかをアプリ上で一元管理できるようになることで、新たな付加価値を提供できるだろうとしている。
「どの部屋の照明が操作されたか、コーヒーマシンがオンになったか、ドアと窓の戸締まりはされているかが離れた場所から分かるので、遠くに住む年老いた親の安否がアプリ上で分かるようになる」。いよいよ、ルンバが掃除機の枠組みを越えようとしている。s9+はその着実な一歩だ。
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