Appleは2月17日、新型コロナウイルスの影響で売上高がガイダンスに達しないことを投資家などに告知する、いわゆる利益警告を発表した。2019年1月2日以来、1年1カ月ぶりとなる。
1月末に発表した2020年第1四半期決算(2019/10-12月)において、次の決算、すなわち2020年第2四半期(2020/1-3月)の売上高を630〜670億ドルと予測していた。このガイダンスにも、新型コロナウイルスの影響を織り込み、幅を持たせてきたが、その下限を割り込むことが確定的となった。
前回の利益警告では、iPhoneの不振が主な原因だった。AppleはiPhone Xを投入した2017年以降、端末の販売価格の大幅な上昇によって、売上高を2桁成長させてきた。ビジネスの6〜7割を占めていた主力製品が予想以上に苦戦したことで、それまでの成長ペースがリセットされた。
しかし2019年第3四半期以降、再び過去最高の売上高を記録するようになっていた。サービス部門の急成長が維持され、同時にウェアラブル製品が年率50%成長を続けていることで、iPhoneの落ち込みをカバーして余りある売上高をAppleにもたらすようになった。
2020年第2四半期の売上高未達について、Appleはプレスリリースで次のように指摘した。
いずれも新型コロナウイルスによって中国国内の経済活動が限定されることが原因だ。延長された春節休み明け、2月10日には一般的なビジネスが再びスタートしており、Appleも同社が委託している工場が稼働し始めているという。
しかし依然として感染拡大に向けた取り組みが続いており、Appleも2月14日に北京のApple Storeを再開した以外は、依然として多くの都市で直営店の営業を再開できない状況が続いている。販売パートナーやキャリアも同様であることから、Appleの中国国内での売上高がなくなってしまう状況だ。
さらに、中国国内での製造能力が思うように回復していないことから、iPhoneの製造にも遅れが生じ、世界的に供給不足に陥るとしている。つまり、中国以外の国々でiPhoneが足りなくなることから、機会損失を起こすとしている。
Appleは2020年3月に新型となる廉価版iPhoneを計画していたとされるが、これについても計画を延期せざるを得ない状況だ。IDCによると、2019年の中国スマホ市場は7.5%減だったことを明らかにしたが、今後は新型コロナウイルスの影響で30%以上落ち込むことをを予測している。
アップル、売上高予想が未達の見込み--新型肺炎が「iPhone」生産などに影響(2/18) 中国スマホ市場は2019年に7.5%減、今後は新型ウイルスの影響で3割超減も--IDC調べ(2/18) 新型の低価格「iPhone」にも新型コロナウイルスの影響か(2/19)Appleはこれまで、iPhoneやiPadの標準となるウェブブラウザやメールアプリを、自社製のSafariとMailに固定してきた。しかしこの方針が変わるかもしれない。
2020年9月に発表されるとみられるiOS 14では、これらの標準アプリをユーザーや企業の好みに変更できるようになるという。つまり、メールの新規作成機能を使ったら、AppleのMailではなくGmailを開いたり、メッセージのリンクをタップしたらChromeが立ち上がる、という具合だ。
iOSではこれまでも、サードパーティのアプリは利用されてきた。前述のGmailはそもそもユーザーが多いことから人気だったし、Chromeもしかりだ。またMicrosoftのOutlookは、メールとカレンダーなどを統合して管理できることから、企業ユースだけでなく一定の支持を集めてきた。
しかしデフォルトアプリには設定できなかったため、使いたいアプリで開くために、わざわざ共有機能を使うなどの手間が生じていた。iOS 14ではそこを改善してくる可能性がある。
なお、Macでは、標準ブラウザやメールアプリを変更する機能が用意されている。
アップル、「iOS」でデフォルトのブラウザやメールを他社製品にできる機能を検討か(2/21)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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