アップルを待ち受ける2020年代はどんな世界になるか--モバイルの次になにが来る?

 12月23日~1月5日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

 新年あけましておめでとうございます。本年も引き続き、CNET JapanのApple定点観測「Appleニュース一気読み」を毎週お届けしながら、引き続き重要なポジションを占めるAppleを視座としたモバイル、テクノロジー、ライフスタイルについて、つぶさに見守っていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

 さて、いよいよ2020年、西暦の3桁目が変わる節目の年となった。筆者は1980年生まれであるため、末尾がゼロの年の「節目」感はより大きく感じられる。テクノロジーにとって、1990年代はパソコン、2000年代はインターネット、2010年代はモバイル、という大きなパラダイムが見えてくるが、2020年代は何の時代になるのだろうか。

 Appleが時代を最も大きく象徴したのは、2010年代のモバイルだろう。iPhoneを2007年に発表してスマートフォンが定義し、iPhoneと同じ構成、すなわち大きなディスプレイが主役でアプリを自在に走らせられるポケットコンピュータというパッケージが世にあふれた。

 これの普及が進んでいき、アプリ経済圏が成立したが、これも2008年にAppleが用意したApp Storeによって、モバイルアプリビジネスのモデルと勝利者が確定した。しかもMicrosoftと異なり、Googleという競合をシェアだけはより大きく成長させることによって、Apple自身が各国における独占禁止法の矢面に立たずに済ませるという対策オプションを追加してきた。

 2020年、おそらくスマートフォンとは別のテクノロジーが代表するテーマとなるはずだ。しかし筆者がこれまで10年区切りの代表格として指定したパソコンやインターネット、モバイルは、必ずしもその期間に成立したテクノロジーではなく、技術的には20年前、製品やサービスとしては10年前から成立・拡大してきたモノばかりだ。つまり、2020年を代表するテクノロジーは、すでに世の中に存在している何かである、と考える方が適当だろう。

 Appleはパソコン、インターネットの覇者にはならなかった。しかしモバイルは獲った。次も巧妙に狙ってくるはずだ。現状のままであれば、Appleの武器はウェアラブルと拡張現実の2本立てとなる。

 ウェアラブルについては、Apple WatchとAirPodsの両シリーズを、他の企業に比べて非常に優位な形で初期市場を作り上げてきた。すなわちiPhoneと組み合わせて価値を発揮する存在として、フィットネス、電子マネー、音楽ストリーミング、音声アシスタントといった重要な活用方法をより便利なモノへと引き上げる役割を担う。そうiPhone側からは見える。しかし、それだけだろうか?というのが2020年のテーマだろう。

 ARについて2019年で最も大きな動きとなったのが、開発者向けのARKit 3の登場により、物体や人などを認識すると、その場所に従って描画したグラフィックスの後ろもしくは手前に配置することができるオグルージョンと呼ばれる遮蔽技術を備えた。これにより、現実のものと拡張された世界との合成がより自然で臨場感あるものになる。

 さらに、AppleからはReality Composer、AdobeからはAdobe Aeroという、AR環境をデザインするためのツールも登場した。いよいよアプリ開発者だけでなく、デザイナーも手慣れたツールとアセットで、AR環境のデザインに取り組む環境が整ってきた。

 ハードウェアについては、iPhone 11に搭載されたU1チップを用いたUWB(超広帯域無線)通信によって、対象となるオブジェクトの距離・方向を正確に捉えることができるようになった。これはARにとっても、大きなメリットとなる。加えて、AirPods ProはH1チップによって、非常に遅延の少ない外部音取り込みモードを含むノイズキャンセリング機能を備えた。これらの技術も、ARの表現力を高めるには最適と言える。

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