バンダイナムコアミューズメントは、東京・池袋のサンシャインシティ ワールドインポートマートビル3階に、エンターテインメント施設「MAZARIA」を7月にオープン。最先端のVR技術と独自の体感マシンなど、最新技術を活用したアクティビティを多数設置している。
3月まで、新宿(歌舞伎町)で期間限定で運営していた「VR ZONE SHINJUKU」の流れを組む施設ではあるが、コンセプトを刷新。三次元と二次元の世界をつなぐ狭間の世界で“アニメとゲームに入る場所”をうたい、内装やBGM、スタッフのアテンドなども含めて空間全体を使って演出。アニメやゲームの中に自身が入り込むような没入感が味わえることを特徴している。
従来施設でも人気のあった「マリオカートアーケードグランプリVR」(マリオカートVR)や「エヴァンゲリオンVR The 魂の座 暴走」「ドラゴンクエストVR」「極限度胸試し 高所恐怖SHOW」をはじめとした多数のアクティビティを用意しているほか、新作として「アスレチックVR PAC-MAN CHALLENGE」(パックマンVR)や「太鼓の達人 VRだドン!」(太鼓の達人VR)なども設置。アクティビティが遊び放題となる「MAZARIAパスポート」も導入している(一部アクティビティは別途専用チケットが必要)。
2016年にお台場にて期間限定で運営していた「VR ZONE Project i Can」を皮切りに、VR ZONE SHINJUKUや大阪・梅田に「VR ZONE OSAKA」を開設したほか、小型店舗「VR ZONE Portal」を全国各地に設置。また米国や韓国など諸外国でも、VR ZONEを展開している。一方でMAZARIAではコンセプトの刷新により、VR ZONEのブランドを付けない形で運営している。
一連のVR ZONE、そしてMAZARIAにおけるプロジェクトのキーマンとしておなじみの“コヤ所長とタミヤ室長”こと、バンダイナムコアミューズメント クリエイティブフェローの小山順一朗氏と同企画開発部の田宮幸春氏に、コンセプト刷新の理由やロケーションVRの現状などを含めて、MAZARIAの開設秘話を聞いた。
——MAZARIA開設の動きというのは、いつごろから始まったのでしょうか。
田宮氏 :実際に動き出したのはかなり直近でしたね。VR ZONE SHINJUKUが、はじめから期間限定でしたので、首都圏の次となる場所を検討しなくては……と思っていても、考えている余裕がなくて。
小山氏 :VR ZONE OSAKAの2018年9月オープンで手一杯でしたから。それまでは何も考えられず、話題にも挙がってなかったです。
田宮氏 :それが一段落したあとに、次をどうしようかと動き始めたところです。ただ、このときはVR ZONE SHINJUKUのコンセプトを継承して、移設するような考えでいました。プロジェクト名も「VR ZONE TOKYO」でしたし。池袋に正式に決まったのは、年末から年始にかけてのあたりです。
小山氏 :その段階で、もう7月中にオープンすることは命題としてありました。やはり夏休みシーズンは外せないので。期間は短いですが、移設するのであればいけるのではと。その前提で予算とスケジュールを組んでいたのですが……。
田宮氏 :作業が進行していくなかで、小山が「VR ZONEをそのまま名乗るのはまずい」と言い出したんです。それで、MAZARIAのようなコンセプトに振りなおしたタイミングが2月から3月ぐらいですね。
小山氏 :世界観やコンセプトをイチから作らないといけないと。それが3月から4月にかけての話です。施設のネーミングにもいろんなことがありました。コンセプトを詰めていくなかで、当初はキャラクターと楽しむ場所という意味でMAZARIAとは別の名前で進めていたのですが……。
田宮氏 :各所への調整も整えて対外的に告知する数日前に、同名の商業施設がオープンするという連絡があったんです。それでネーミングをはじめとした怒涛の調整作業が振り出しに戻ってしまって。
小山氏 :もう何もかもギリギリで、いろんなものが直前で決まりました。内装も移設前提でしたから抑えめの予算で組んでいたので、そのなかでどう見栄えを出したものにするかとか。それらが決まって内装が整ったのもオープン直前で、事前のプロモーションは全くできなかったです。
田宮氏 :ほかにも、IPを活用したVRアクティビティに関しては、VR ZONEからMAZARIAのコンセプトになったことで、各版権元様には新たな施設コンセプト自体の説明をしてご理解をいただく必要もありました。もう本当に怒涛の日々でした。皆様の多大なご協力をいただき、なんとか間に合ったという状態でした。
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