組織的活動に協力したためにGoogleに解雇されたと訴える元従業員がまた現れた。Googleのプラットフォームセキュリティチームに所属していたKathryn Spiers氏は、職場における従業員の権利を列挙したリストにリンクした社内ポップアップ通知を作成したことを理由に、先週解雇されたと述べた。Spiers氏は、米国時間12月16日に全米労働関係委員会(NLRB)にGoogleの行為を申し立てたことも明らかにした。
Spiers氏は17日付けのブログ記事で、企業のガイドラインやポリシーなどを従業員に伝達するブラウザ通知の作成が、自身の職務の1つだったと述べた。同氏は11月に、「Google社員は、保護された組織的活動に参加する権利がある」とする通知を作成したという。
Spiers氏によると、社員が同社のコミュニティーガイドラインやIRI Consultantsのウェブサイトを訪問すると、その通知が表示されたという。The New York Times(NYT)は11月、Googleが従業員からの抗議に対応する中で、長年にわたって反組合的な取り組みに従事してきたIRI Consultantsと契約したと報じていた。「このような通知に対し、Googleが積極的に反応することはこれまで決してなかった。これまでは常に、同社の文化として歓迎されていた」とSpiers氏は記し、「透明性が低下したGoogleは、信頼性も低下している」とした。
同氏は17日、そのブラウザ通知の写真をTwitterに投稿した。
Hours after pushing the notification live they took my devices & put me on administrative leave. They then ‘investigated me’ and on Friday, after three weeks on admin leave, fired me for a policy they couldn’t explain.
— Kathryn Spiers (@eiais) December 17, 2019
Here's pic of the popup. pic.twitter.com/Ltfef8dSc0
Spiers氏は11月、通知を公開したわずか数時間後に休職させられ、12月13日に解雇されたという。同社のセキュリティポリシーに違反したと、Googleに告げられたと同氏は述べた。
Googleは17日、「アクセス特権を悪用して社内セキュリティツールを変更した」セキュリティエンジニアを解雇したと述べたが、その氏名を認めることは避けた。また問題は従業員の権利に関するポップアップではなく、許可なくそれを作成し、セキュリティとプライバシーのツールを乱用したことにあるとした。「深刻な違反行為だった」とGoogleの広報担当者は声明で述べた。
Spiers氏の解雇に先立ち、11月には他に4人のGoogle従業員が解雇されている。この4人は、感謝祭(サンクスギビング)の数日前に解雇されたことから「サンクスギビング・フォー」と呼ばれている。この4人も、Googleにおける組織化活動に関与し、YouTubeでハラスメントポリシーを声高に批判したり、米税関・国境警備局の仕事を受けないようにGoogleに求めたりしていた。NLRBは12月に入り、この4人の従業員の申し立てを受けて、Googleの労働慣行に対する調査を開始したことを明らかにしている。
Googleは当時、4人を解雇したのは「当社に長く続くデータセキュリティポリシーに対する意図的で度重なる違反があった」ためとしていた。同社によると、解雇された従業員らは担当業務の範囲外の文書やカレンダー情報にアクセスしていたという。しかし従業員らは、組織化に向けて積極的に活動していたために標的になったと主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス