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米上院、IT大手に対する暗号化の規制を主張--犯罪捜査を重視

Alfred Ng (CNET News) 翻訳校正: 緒方亮 高森郁哉 湯本牧子 (ガリレオ)2019年12月11日 11時19分
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UPDATE 米連邦議会が米国時間12月10日、大手IT企業に警告を発した。AppleとFacebookを含む各社に対し、業界が法執行機関と折り合いをつけられない場合、暗号化を規制する法案を通す意向を示したのだ。

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提供:James Martin/CNET

 IT企業とプライバシー擁護派は長年、プライバシーとセキュリティの技術である暗号化がハッカーや犯罪者や独裁政権から人々を守るとして、暗号化を支持してきた。だが法執行当局は、暗号化が容疑者のデバイスや容疑者のメッセージアプリ上の通信内容に対するアクセスを阻害し、犯罪捜査を妨害すると主張している。

 この議論が注目を集めたのは2016年、テロ容疑者の「iPhone」をロック解除するよう求める米連邦捜査局(FBI)の要請を、Appleが拒んだときのことだ。Appleは、デバイスを復号するマスターキーを提供すれば、すべてのiPhoneユーザーを危険にさらすことになると主張した。

 上院司法委員会の10日の公聴会で、Appleのユーザープライバシー担当マネージャーであるErik Neuenschwander氏は、この要点を議員らに繰り返した。

 同氏は上院議員らにこう説明した。「現時点では、善人のためだけに機能するバックドアを作る方法が見つかっていない。(中略)実際、われわれが経験してきたことはまるで反対だ。システムに弱い部分を設けると、悪人たちにも付け込まれる」

 暗号化をめぐる議論はこの10月に再燃した。そのきっかけは、米司法省がFacebookに対し、メッセージサービスをすべて暗号化する計画を停止するよう要請したことだ。これに先立つ3月、Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は、同社がユーザーのプライバシー保護を強化する計画を明らかにしていた。

 Facebookは10日、William Barr司法長官に書簡を送り、自社のメッセージサービスの暗号化を弱めるつもりはないと伝えた。同社のプライバシーと正当性に関する製品管理責任者であるJay Sullivan氏は、公聴会でその理由を説明した。

 「暗号化されたシステムのセキュリティを意図的に弱めることには反対だ。そのようなことをすれば、至るところでプライバシーやセキュリティが低下し、ハッカーや犯罪者、抑圧的な政権に対して脆弱となる」(同氏)

 公聴会では、数名の議員がAppleとFacebookの担当者に対し、両社が捜査当局にデータを提供できなければ、議会として法制化を検討すると警告した。

 上院司法委員会の委員長を務めるLindsey Graham上院議員(共和党、サウスカロライナ州選出)はこう述べた。「私からあなた方への助言は、速やかに対応するように、ということだ。来年の今頃になっても対処法が見つからない場合は、われわれの意向に従ってもらうことになる」

 これは超党派の警告となった。民主党も共和党も、犯罪捜査はデバイスの総体的なプライバシーとセキュリティより重要だと主張した。

 Richard Blumenthal上院議員(民主党、コネチカット州選出)は、IT大手が法的責任から距離を置いていると批判し、近く議員らで措置を講じると警告した。

 「(現状は)終わりを迎えるだろう。なぜなら、米国人は我慢の限界に達しつつあるからだ。あなた方には過去の発言を撤回してほしい。IT大手がより適切に対応できなければ、その種の免責は長続きしないだろう」(同議員)

 米国での暗号化に関連した法案化の動きはないが、10日の公聴会に出席した上院議員らはIT大手各社に対し、今後もこの問題で捜査当局が問題に直面するようなら、議会として措置を講じると警告した。

 Marsha Blackburn上院議員(共和党、テネシー州選出)は次のように述べた。「どの企業も連携して行動しなければならない。それができないなら、われわれが喜んであなた方が連携するよう仕向ける。この状態が続いてはいけない」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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