アマゾン、ヘルスケア戦略をさらに強化へ--「Alexa」で服薬管理を可能に

Daphne Leprince-Ringuet (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2019年12月02日 12時09分

 Amazonは、ヘルスケア戦略でまた新たな一歩を踏み出した。同社は薬局との提携により、「Alexa」で患者の処方せんに基づいて服薬のリマインダーを設定できるようにしたほか、必要に応じて補充用の医薬品も注文できるようにしたと発表した。

 この新機能は当面の間、米国に約200店舗を展開する小売チェーンGiant Eagle Pharmacyの顧客にのみ提供される。

 Amazonでヘルスおよびウェルネスチームを率いるRachel Jiang氏によると、2020年には他の薬局にも拡大する予定だという。

 Amazonはまた、薬局向けに投薬および供給管理サービスを提供するOmnicellと提携し、音声による補充リクエストツールを共同開発した。

 これらの機能を利用するには、AmazonアカウントにGiant Eagle Pharmacyのスキルを追加し、Alexaの音声プロフィールを(未作成の場合は)作成する。これにより音声認証が求められるため、パスコードによる認証と併せて「セキュリティと安心感がさらに高まる」という。

 スキルを設定したら、ユーザーは処方せんを確認してリマインダーを管理し、「Alexa、今はどの薬を飲めばいい?」「Alexa、処方薬を補充して」などと指示できるようになる。

 Amazonは2018年、処方薬の配送を手がける新興企業PillPackを10億ドル(約1100億円)弱で買収した。11月には、オンラインでの症状チェックを手がけるHealth Navigatorをポートフォリオに追加した。このサービスはAmazonの従業員にのみ提供される。

 Jiang氏は、新機能に複数の階層の認証処理を組み込んだことを挙げて、Amazonのヘルスおよびウェルネスチームはプライバシーとセキュリティを優先してツールを開発したと述べた。

 「本日のローンチは、われわれがスキル開発者を対象にHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)準拠の環境を整えるために、今年進めてきた取り組みを基盤としている」(Jiang氏)

 HIPAAに準拠することにより、Alexaは薬局から患者にデータを転送できるが、データを他の目的で処理したり使用したりすることはない。

 Amazonは4月、同社が「HIPAA準拠の環境」とする環境においてAlexaの新たなスキルを構築するためとして、医療サービスを提供している6つの組織との提携を発表している。Alexaは、「保護された医療情報(PHI)を送受信」できるようになるという。

 これらの提携によるプロジェクトには、処方薬の配達についてAlexaからの最新情報をリクエストすること、患者の回復状況に関する情報を病院のスタッフに提供すること、あるいは救急医療センターを探して当日の予約を手配することなどが含まれる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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