Amazonは米国時間6月28日、PillPackを買収すると発表した。PillPackは、患者が服用する処方薬をあらかじめ小分けにして届けてくれるオンライン薬局を手掛ける新興企業だ。
PillPackは、複数の処方薬を毎日服用する人々に利便性をもたらすという理念を掲げている。同社は、Techstars、Menlo Ventures、Accel Partnersなどから1億2000万ドル(約132億円)の資金を調達しているという。
Amazonは、買収後の計画について、具体的には明らかにしていない。Amazonのワールドワイドコンシューマー担当最高経営責任者(CEO)を務めるJeff Wilke氏は、「人々がより容易に、時間を節約し、生活をシンプルにし、より健康に感じられるようにするための取り組みを続ける」とし、PillPackのチームをサポートすると述べた。
Amazonは現在、Berkshire HathawayとJP Morgan ChaseのCEOらと連携し、ヘルスケアベンチャーを立ち上げようとしている。各社のCEOである、Jeff Bezos氏、Warren Buffett氏、Jamie Dimon氏らはビジネス界の重鎮だ。3社は、米国で雇用する従業員の医療費削減などを目指す取り組みの一環として、このベンチャーの計画を2018年1月に発表した。
PillPackは、ヘルスケアに対してBezos氏が描く広範な目標に沿うものだが、Amazonの事業の範囲内だけにとどまる可能性もある。Amazonは次々と新規分野に参入することで知られているが、製薬業界では収益性に期待できる。PillPackは、全米50州で薬局事業のライセンスを取得しており、Amazonは事実上、「Prime」会員やそれ以外の消費者にも医薬品配達サービスを展開できることになる。
ForresterのシニアアナリストであるAreielleTrzcinski氏は、「消費者が処方薬を受け取る手段に破壊的な変革をもたらし、実店舗の薬局に深刻な影響を与える」と述べた。
買収の金銭的条件は公表されていないが、TechCrunchは、情報筋らによると10億ドル(約1100億円)弱だと報じている。TechCrunchによると、WalmartもPillPack買収に関心を示していたとみられるが、Amazonが提示した買収条件の方が高かったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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