米司法省、イーサリアム専門家を逮捕--北朝鮮で制裁回避につながる情報提供の疑い

Catalin Cimpanu (ZDNET.com) 翻訳校正: 緒方亮 高森郁哉 (ガリレオ)2019年12月02日 12時13分

 米当局は米国時間11月28日、仮想通貨などの専門家でイーサリアムプロジェクトのメンバーである男を逮捕した。北朝鮮に渡航して技術カンファレンスに出席し、仮想通貨とブロックチェーンを使った国際的な制裁の回避につながる恐れのある情報を提供した疑いが持たれている。

提供:korea-dpr.info
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 米国籍でシンガポール在住のVirgil Griffith容疑者(36)は、28日にロサンゼルス国際空港で逮捕された。

 米司法省は報道向け資料の中で、Griffith被告が2019年4月に北朝鮮へ渡航し、Pyongyang Blockchain and Cryptocurrency Conference(平壌ブロックチェーン・仮想通貨カンファレンス)で技術的な内容を論じたとしている。

 司法省によると、Griffith被告が北朝鮮に渡航してカンファレンスに参加することに対し、米国務省は許可を与えず、警告を発していたという。

 John Demers司法次官補は次のように述べた。「渡航しないよう警告を受けたにもかかわらず、Griffith被告は米国の主要な敵対国である北朝鮮に行き、ブロックチェーン技術を使って制裁を逃れる方法を聴衆に教えたとみられている。この申し立てで、われわれはそうした行為に対して正義を求める手続きを開始する」

DoJ

 さらにGriffith被告は、米国の制裁に違反し、「北朝鮮と韓国の間でCryptocurrency-1(イーサリアム)の取引を促す計画」に関与していたとされている。

DoJ

 当局によると、Griffith被告は、国際緊急経済権限法(IEEPA)などに違反した。

 Geoffrey S. Berman検事は、「Virgil Griffith被告は、北朝鮮のマネーロンダリングと制裁逃れに利用される可能性があることを知りながら、非常に専門的な情報を北朝鮮に提供したとされている。申し立ての通りであれば、Griffith被告は、北朝鮮の危険な体制に最大限の圧力をかけるために米国議会と大統領が定めた制裁を危うくしたことになる」と述べている。

 有罪判決が下されると、Griffith被告は最大20年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。

 Griffith氏は、Mediumのプロフィールによると、Ethereum Foundation(イーサリアム財団)の「Special Projects」にも所属している。また、「Onion.city」というTor-to-Web(Tor2Web)を運用しているとされる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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