Uberは8月、オーストラリアのメルボルンでドライバーが酔った乗客を自宅に連れ込み強姦した罪を認めた事件で、世間の注目を集めた。The Ageによると、このドライバーはUberでの業務中、友人のUberアカウントを不正に使用していたという。
米国各地の市当局も、偽名を使ったドライバーを摘発している。テキサス州ヒューストンのあるドライバーは、2015年にUberの身元調査をパスしたが、24の偽名を使い、生年月日の記載は5通り、社会保障番号の記載は10通りあり、逮捕状が出ていたと報じられた。
また2017年、コロラド州当局はUberが犯罪歴または自動車運転違反歴のあるドライバー57人の登録を許可していたことが判明したと発表している。ドライバーの1人は偽名を使ってアプリに登録しており、有罪判決を受けていた。ロサンゼルスでは、かつて殺人で有罪判決を受けた人物も偽名で登録していたことが分かっている。
同じく2017年、マサチューセッツ州が独自の身元チェックを開始したところ、UberとLyftのドライバーの中に51人の性犯罪者がいることが分かった。同時期に捜査当局は、偽名を使ってUberに登録し乗客を強姦した容疑でボストンのドライバーを起訴したことを明らかにした。
このような計略はさらに複雑化することもある。2019年2月、NBC Bay Areaは、無資格のドライバーでも盗まれた身分証明書を使って、UberやLyftの身元検査を回避できることを発見した。身元を隠したいドライバーに対し、ブローカーが配車サービスのアカウントをオンラインのチャットグループで販売しているという。
この手の詐欺では、無資格のドライバーのプロフィール写真とライセンスプレートの番号がアプリに表示されるものと一致するため、簡単に乗客を騙せてしまう。UberはNBCからこの問題について連絡を受け、こうしたアカウントの一部を無効にしたという。
「The Rideshare Guy」ブログを運営するCampbell氏は、ダークウェブで偽の身分証明書を購入し、それを使ってUberに登録申請したドライバーについて聞いたことがあると語った。アカウントを共有するドライバーらについても耳にしたという。
「ほとんどの乗車は何事もなく終わる」とCampbell氏は述べ、「しかし、ロンドンに4万5000人もドライバーがいるのなら、一部のドライバーが悪用しようとすることを想定した仕組みを作ることが重要だ」とした。
Lyftはコメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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