電動キックスクーターは、ニューヨークやシカゴなどの都市に登場した自転車シェアリングエコシステムを、もう少し分散したようなものであり、比較的低コストで、必要なときに(近くで)利用できることがほぼ保証された、徒歩よりも速い移動手段と考えるといい。
これはマイクロモビリティの革命だが、対処すべき文化的な問題も、いくつかもたらしている。まず、電動キックスクーターは規制がないうちに登場したため、一部の都市は歩道の混乱を解消するために、この種のサービスの禁止を余儀なくされた。これらのサービスが提供されている都市でも、正しい運転方法を熟知している人はいない。これは、事前ではなく事後に規制を制定したらどうなるかを示すケーススタディであり、今後、多くの都市がほかのモビリティのアイデアに対処する際のヒントになるかもしれない。
乗用車とスポーツ用多目的車(SUV)の両方の長所を融合させたクロスオーバーは、驚くほど短期間で自動車業界全体を完全に変革したという点で、このリストで紹介する価値があるだろう。かつて、家族の典型的な車の形態といえばセダンだったが、2010年あたりから、以前よりも車高が高く車体も大きい自動車に人々の好みが移行しつつある。
クロスオーバーは、ほんの数年で、数十億ドル規模の業界の仕組みを完全に変えてしまった。FordとGeneral Motorsはセダンをほぼ排除し、さらに多くのクロスオーバーを約束している。Fordは、「Mustang」の精神をクロスオーバーの車体に合わせて取り入れているほどだ。クロスオーバーは、独自のクーペスタイルのバリエーションも生み出した一方で、従来の2ドア式クーペは業界からほぼ姿を消した。
この過程にも問題がないわけではない。車体の形状と重心が変化すると、これまでと異なる安全要件が必要になる。そのため、自動車メーカーは、大型車が衝突する場合に小型車のように安全に衝突させる方法(そして、安全に小型車に衝突させる方法)を考え出さなければならない。大型車は燃費が悪く、自動車メーカーは、より小型のエンジン、より多くの過給機、そして、48ボルトのマイルドハイブリッドなどの小規模な電化策でこれに対抗している。このトレンドが減速する兆候はなく、技術革新は2020年代に入っても続きそうだ。
2016年以前、自動車業界には、かなり多くの「当たり前のことになっている慣習」があった。例えば、カリフォルニア州で独自の排出目標を設定できることや、自動車の製造と組み立てにおけるグローバル化の進行などだ。
そしてDonald J. Trump大統領が就任した。新政権の優先事項により、それまでの状況は一変した。欧州と日本の多くのOEMが米国の製造業ですでにかなりの存在感を確立しているにもかかわらず、何から何まであらゆるものを米国内で製造することや、米国の自動車メーカーから自動車を購入することが重視されるようになった。カリフォルニア州は何十年も自治を享受してきたが、それを奪われる可能性もある。
そうした権力の奪取は、自動車メーカーへの有無を言わせぬ関税を通して、あるいは会合やTwitterで個人的な圧力をかけることによって成し遂げられてきた。とはいえ、すでになされてしまったこと、そして新しい米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)などの協定を通してまもなく達成されそうなことから判断すると、これらの変化の影響は今後数年、あるいは何十年にもわたって続くかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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