Googleが米国で2番目に大きな医療団体であるAscensionと医療データで提携したことについて、連邦当局が調査に乗り出すという。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間11月12日に報じた。
多数の米国人の患者情報を収集する取り組み「Project Nightingale(プロジェクト・ナイチンゲール)」について、米保健福祉省の公民権局が調査を開始する。こうした情報には、検査結果や医師の診断、入院記録、さらに患者の氏名や生年月日も含まれるという。プロジェクトの目的は、患者の病歴に焦点を当てた医療ソフトウェアを設計することだとされる。
同局のRoger Severino局長はWSJに対し、「(同局は)この個人的な医療記録の大量収集についてさらなる情報を確認し、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)による保護が十分に適用されるようにする」と述べた。
保健福祉省とGoogleはいずれもコメントの依頼にすぐには応じなかった。Ascensionはこの調査に関するコメントを控えた。ただし、Ascensionは11日に声明を出しており、この提携はHIPAAに準拠していると述べていた。HIPAAは、特定の医療情報のセキュリティとプライバシーを規制する連邦法だ。
「この合意の下でわれわれが提供するサービス以外の目的で、Ascensionのデータが利用されることはあり得ないということを明確にしておきたい」と、Google Cloud担当プレジデントのTariq Shaukat氏もブログへの投稿で述べていた。「患者のデータがGoogleのコンシューマーデータと結び付けられることはあり得ないし、起きることはない」(同氏)
Project Nightingaleのニュースは、Googleが医療分野への注力を強めるなかで報じられた。Googleは11月、フィットネストラッカーを手がけるFitbitを21億ドルで買収すると発表し、医療サービスへの投資拡大の兆候を見せている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス