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フードテックで飢餓をなくす--スタートアップ支援で2030年のゴールを目指す国連WFP

Justin Jaffe (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年10月24日 07時30分
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 宣伝文句では、シリコンバレーで開かれる技術系イベントで必ず耳にするような、おなじみの流行り言葉が繰り返される。ブロックチェーンとか人工知能(AI)とか、ビッグデータといった用語だ。そんな最新の技術を扱い、「世界をより良くする」とうたうスタートアップは多いが、これから紹介するのは、文字どおりにそれを実践しようとしている企業たちだ。

 米国時間10月15日の夕方、国連世界食糧計画(WFP)は、米国で初となる「Innovation Accelerator」ピッチコンテストを、カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社で開催した。「最もインパクトのあるピッチ」として審査員賞を受賞したのは、ガーナのクマシに本拠を置き、穀類水分計を開発しているSesi Technologiesだ。

Sesi Technologiesの穀類水分計
Sesi Technologiesの穀類水分計は、ガーナの貧しい農家を支援するものだ
提供:Angela Lang/CNET

 インド、イラク、米国など各国から参加したスタートアップ企業11社が、多種多様なコンセプトを披露した。電気を使わずに動くポータブル冷蔵庫、あるいは砂漠やスラム、難民キャンプといった過酷な環境でも食糧を育てられる水耕栽培プラットフォームといったアイデアが登場し、Sesi Technologiesもそのひとつとしてステージに上がった。

 シリコンバレーでは、評価額10億ドル(約1080億円)を超える、いわゆる「ユニコーン」企業を目指すのが定番だが、Innovation Acceleratorの責任者を務めるBernhard Kowatsch氏は、WFPの使命をその対極に位置づけた。国連によると、全世界で8億2100万もの人々が日々、食糧難に苦しんでおり、Kowatsch氏はそれを「ゼロに近づけたい」と語っている。

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Fenikの最高経営責任者(CEO)Quang Truong氏は、ポータブル冷蔵庫「Yuma」を披露した。果物や野菜、飲み物などの食料品を、電気なしで冷たく保つことができる
提供:Angela Lang/CNET

 容易な目標ではない。1990年に10億を超えていた飢餓人口は、最近の30年間で確かに減少傾向にあった。だが、政情不安と気候変動がともに深刻化している影響で、その傾向は鈍化もしくは逆転しそうになっているのだ。

 計画に立ちふさがる難題を受け、国連が救いの道を見いだしているのが、テクノロジーだ。WFPは4年前から、バングラデシュ、南スーダン、シリア、イエメンといった世界最貧国における飢餓関連の問題に立ち向かえる企業家たちを、米国および海外で採用・育成している。

 資金や、現地での運用をサポートするほか、Innovation Acceleratorは、スタートアップ企業の拠点となる国で人材や資源が乏しい場合にそれを利用できる機会を提供している。先頃、WFPのチームはGoogleをはじめとするベイエリアの技術系企業から、AI、機械学習、ハードウェア製造に関する世界有数の専門家を集めて協議した。

 「素晴らしい経験だった。ガーナでは、原材料も設備も人材も確保が難しい。ハードウェア産業もゼロから切り開いているところだ」と、Sesi Technologiesの共同創業者であるIsaac Sesi氏は話している。

 Kowatsch氏によると、WFPは4年間でおよそ4400件の申請に対応しており、6000万ドル以上の資金を、WFP内部からの参加も含め66のチームに分配したという(WFPは、資金提供したスタートアップで株主のような立場をとることはない)。投資家や諸団体もこれに続き、WFPのチーム8つに対して6900万ドルの資金を追加で提供している。

 かなりの大金だが、WFPという組織にとっては微々たる金額でしかない。WFPの活動は桁外れな規模だからだ。WFPは、83カ国に1万7000人の職員を抱え、2018年には70億ドル以上の資金を調達している。その内訳を見ると米国政府からの支援が25億ドル以上に及び、貢献率は飛び抜けて1位だ。スタートアップ企業を育成するほか、WFPは食糧の供給、道路や橋の建設、井戸の掘削、現金の分配など、不安定な地域社会に対する幅広い活動のプロジェクトに資金を提供しており、2018年だけでもその総額は17億ドルを上回っている。

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