ソフトバンクは10月7日、ワイモバイルブランドのスマートフォン新機種4機種を発表した。同日の説明会では、ソフトバンクの常務執行役員 Y!mobile事業推進本部 本部長である寺尾洋幸氏が新機種の狙いについて説明した。
ワイモバイルブランドでは、10月1日に実施された電気通信事業法の改正に向けた取り組みを進めており、同日に通信料金と端末代を明確に分離した、いわゆる“分離プラン”を導入した新料金プランを投入している。
寺尾氏はこの新料金プランについて改めて説明。主に契約期間と基本料、データ通信量の3つに変更を加えたというが、中でも大きく変化しているのは、契約期間を2年間拘束する代わりに通信料を値下げする、いわゆる“2年縛り”を撤廃したことだという。
これまで2年縛りを導入していた理由について、寺尾氏は「ワイモバイルを始めた時から、縛りについてはやるかやらないかを議論していたが、2年契約を入れることで低廉な料金を実現できることから、やることになった」と明かす。だが、法改正によって解除時の違約金上限が1000円に大幅に引き下げられ、値引き額も月額170円へと大幅に制限されたことから、値段よりも分かりにくさが目立つ内容となってしまうため撤廃するに至ったと説明した。
その上で寺尾氏は、法改正を前提とした新料金プランに向けた、新しい端末戦略として、2019年の秋冬に向けた新しい端末ラインアップを発表した。その中でも法改正を強く意識したスマートフォンとなるのが、11月下旬発売予定の「Libero S10」である。
これは、5.7インチディスプレイを搭載したZTE製のスマートフォンで、デュアルカメラと3100mAhのバッテリー、指紋認証センサー、そして防水・防じん性能を備えながらも、オンラインストアで税込み2万8800円と低価格なのが特徴。実際の値引き額は販売店によって異なるが、法改正による値引き額上限の2万円まで端末購入補助を入れた場合、「新規や番号ポータビリティによる加入では、実売で1万円を切る価格で提供できる」と寺尾氏は話す。
またワイモバイルの主力ブランドである「Android One」シリーズも、新機種を投入することが明らかにされた。同シリーズは2016年からの3年間で、メーカー出荷台数が累計で200万に達するなど好調を維持しているという。
そこで今回は、Andorid Oneシリーズの中でも、エントリーモデルに位置付けられる「S」シリーズ2機種の追加を発表。1機種目は京セラ製の「Android One S6」で、5.84インチのディスプレイを搭載し、メインカメラに約1600万画素のカメラと、135度の超広角撮影ができる約800万画素のカメラの2つを搭載していることが特徴だ。
そしてもう1機種は、シャープ製の「Android One S7」。こちらは5.5インチのIGZO液晶ディスプレイと4000mAhのバッテリーを搭載し、長時間のバッテリー持続時間を実現していることが特徴。両機種ともに発売日は12月中旬となるが、Sシリーズとしては初めてFeliCaを搭載しており、必要十分な機能を備えたスマートフォンに仕上がっているという。
寺尾氏はさらにもう1機種、ワイモバイル初となるソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」ブランドのスマートフォン、「Xperia 8」を販売することも明らかにした。これは21:9という縦長比率のディスプレイを搭載した、同社のフラッグシップモデル「Xperia 1」のコンセプトを継承しながらも、チップセットにクアルコムの「Snapdragon 630」を搭載するなどしてコストを抑えたミドルクラスのモデルだ。
寺尾氏はXperia 8を投入した理由の1つとして、2019年に入ってNTTドコモなどから販売されているミドルクラスの「Xperia Ace」の販売が好調で、中価格帯でもXperiaブランドの端末が受け入れられていることを挙げた。そしてもう1つ、寺尾氏が挙げているのが既存のXperiaユーザーの存在だ。
現在でこそ市場でのシェアを大きく落としているXperiaシリーズだが、数年前まではAndroidスマートフォンの中でトップシェアを誇っていた。しかも「Xperiaシリーズの利用者は、次に買い替える時もXperiaを選ぶ率が高い」(寺尾氏)うえ、ワイモバイルショップスタッフの中でも、販売したい端末としてXperiaシリーズを挙げる人が多いという。
そこで、従来のXperiaユーザーをワイモバイルに取り込むためにも、Xperia 8を販売するに至ったとのこと。オンラインストアでの価格は税込み5万4000円で、「税抜きであれば5万円を切る」(寺尾氏)ことから、最大2万円の端末購入補助も含め、Xperiaシリーズを低価格で購入できることをアピールしていく考えのようだ。
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