Facebookが米国時間9月18日、ビデオ通話デバイス「Portal」シリーズの最新モデルを発表した。サンフランシスコにあるビクトリア朝風の居心地の良さそうな家のような場所で発表された。「Portal TV」は、友人や家族とテレビの大画面でビデオ通話ができる。「Portal Mini」「Portal」は、ディスプレイを備え、フォトフレームのように棚に置けるデバイスだ。Facebookはスマートディスプレイに全力を注いでいるようだ。
Facebookで拡張現実(AR)および仮想現実(VR)部門の責任者であるAndrew Bosworth氏(Boz)は、両親が近くに住んでいて孫たちによく会っているが、Portalは家族がつながりを保つのに役立っていると語った。Bosworth氏の後ろで、スマートディスプレイに同氏の家族写真が写っていた。
Bosworth氏はPortalについて、「このデバイスのおかげで、私と両親との関係だけでなく、親と私の子どもたちとの関係もさらに良くなった。これは私たちにとって本当に大きな意味がある」と説明した。
Portalの最新ラインアップは、ユーザーの日常生活により深く入り込もうとする、Facebookの飽くなき意欲を示すものといえる。Facebookは月間アクティブユーザー24億人を擁する。しかし、Facebookのカメラやマイクをユーザーの自宅に普及させることは容易ではないかもしれない。Facebookはこれまで、ユーザーのプライバシー保護に関してさまざまな問題を起こしており、リビングルームでの会話が外に漏れることはないと、消費者の納得を得るには困難を伴うだろう。
Portal製品では、Facebookのチャットサービス「WhatsApp」や「Messenger」を利用できる。価格は比較的安価に抑えられている。10インチディスプレイを搭載する新型のPortalは、フォトフレームに近いデザインに変更されている。前モデルより20ドル安い179ドル(約1万9400円)で発売される。8インチ画面のPortal Miniは129ドル(約1万4000円)だ。この2つのモデルは米国では10月15日に出荷を開始する。Portal TVは149ドル(約1万6000円)で11月5日に発売予定だ。いずれか2台を同時に購入すると50ドル割引となる。米国とカナダのほか、英国、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、ニュージーランドで発売される。
前モデルと同様に、新しいPortalにも人工知能(AI)を備えたカメラが搭載され、写っているユーザーが動いても、カメラのフレームから外れないようになっている。また、ARエフェクトでユーザーをアニメのキャラクターの姿に変身させる機能や、Amazonのスマートアシスタント「Alexa」との統合も実現した。
Facebookによるプライバシーの取り扱いには、過去の実績から懐疑的にならざるを得ない部分もある。政治コンサルタント企業のCambridge Analyticaは、Facebookユーザー8700万人分のデータを許可なく収集していたとされる。傘下のInstagramは4月、数百万人分のパスワードをプレーンテキストで保存し、従業員が読み取り可能な状態にしていたことを明らかにした。最近でも、Facebookユーザーの電話番号のデータベースが、オンラインで公開されていることを研究者が発見した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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