ただがむしゃらに頑張るだけでは、徐々に効率は下がり、判断ミスをし、イライラして仕事は雑になる。さらには人間関係にまでヒビが入るかもしれない。しかし、脳の働きを理解して、対処法を学び行動を変えていくことで、自分でそのような事態を避けられるとすれば、「脳の働き」に興味がわくのではないか。自分の行動一つで、仕事だけでなく人生そのものの展開が変わってしまうのだから。
本書では、二人の男女が主人公のストーリーが展開される。昇進して責任が増え、それに伴いメールも会議も判断を要する事項も増え、てんてこ舞いの状態だ。そのような二人の状況は、「前頭前皮質を舞台に喩える」ことで整理され、脳の働きに基づいて適切な行動を取ったらどうなるかという物語に変わる。聞き慣れない「前頭前皮質」を「舞台に喩える」と言われても、その方がよく分からないと最初は思うが、読み進めていくにつれ慣れてきて、「なるほどそういうことか」と納得できてしまうから不思議だ。
脳の働きを知ることで、自分の状態を客観的に見ることができるようになるほか、相手の反応についても、より理解が深まる。「なぜ相手がそのような反応を示したのか」が分かることで、仕事も人間関係も円満にいくことがあるのだ。
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