CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを、独自の視点で紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。今回はエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。8月12日と13日の2日間、埼玉県にあるさいたまスーパーアリーナ(SSA)にて開催されたイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!」SSA公演の模様をお届けする。
ソーシャルゲームを基点として多方面に展開している「アイドルマスター シンデレラガールズ」のキャスト陣によるライブイベントとして、5月から8月にかけて全国7都市14公演を行う大規模ライブツアーを開催。宮城、石川、大阪、静岡、幕張、福岡とめぐり、このSSA公演がツアーファイナルとなった。
これまでは1会場による2公演分の出演者は共通していたが、今回は2日間で出演者の重複がなく、1日目に30名、2日目に31名という、計61名にも及ぶ大人数のキャストが出演し、会場はファンである“プロデューサーさん”で両日とも埋め尽くした。またライブビューイングで国内110館、海外10館にて上映。両日ともメドレーを含めて53曲、4時間を超える大ボリュームのステージが展開された。
1日目は、双葉杏役の五十嵐裕美さん、アナスタシア役の上坂すみれさん、白坂小梅役の桜咲千依さん、三村かな子役の大坪由佳さん、脇山珠美役の嘉山未紗さん、相葉夕美役の木村珠莉さん、赤城みりあ役の黒沢ともよさん、橘ありす役の佐藤亜美菜さん、中野有香役の下地紫野さん、新田美波役の洲崎綾さん、依田芳乃役の高田憂希さん、森久保乃々役の高橋花林さん、前川みく役の高森奈津美さん、浜口あやめ役の田澤茉純さん、小早川紗枝役の立花理香さん、椎名法子役の都丸ちよさん、乙倉悠貴役の中島由貴さん、道明寺歌鈴役の新田ひよりさん、及川雫役ののぐちゆりさん、佐藤心役の花守ゆみりさん、三船美優役の原田彩楓さん、十時愛梨役の原田ひとみさん、龍崎薫役の春瀬なつみさん、水本ゆかり役の藤田茜さん、佐久間まゆ役の牧野由依さん、神谷奈緒役の松井恵理子さん、諸星きらり役の松嵜麗さん、安部菜々役の三宅麻理恵さん、姫川友紀役の杜野まこさん、片桐早苗役の和氣あず未さんが出演した。
ステージにはお城をイメージしたセット、そしてイベントテーマの“奇跡の行進”にちなんで、キャスト陣がイベントロゴをあしらった大きな旗を持ち行進して登場するという、これまでの公演でも見られたオープニングが展開。もっとも人数が多いだけに、キャスト陣がずらっと並んだ光景は壮観だ。そして1曲目から盛り上がれる曲でもある、PlayStation VR用ソフト「アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション」(シンデレラガールズVR)のテーマ曲である「Yes! Party Time!!」が流れると、場内は大歓声が巻き起こり、オレンジ色のペンライトで一気に染まった。VR空間の中でステージ上のアイドルと客席とでウェーブを行うシーンもあるが、この大規模な会場では綺麗で大きなウェーブが流れていた。
このあともソロ曲やユニット曲を次々に披露。合間合間にトークを挟みつつも、歌、歌、歌というほどの、これまで以上に楽曲を詰め込んだステージとなった。楽曲も、8月に発売されたばかりの「銀のイルカと熱い風」が早速披露されるなど、ライブで初めて歌われる楽曲も多く織り交ぜながら進行した。
1日目では、5thライブツアーがアイマスライブ初出演というキャスト陣も少なくなかったものの、一度ステージを経験したこともあってか、大舞台でも楽しむかのようにパフォーマンスを披露。すでに数多く出演しているキャスト陣も、それぞれの楽曲をよりパワーアップして披露したほか、トークでも率先して盛り上げるなど、30人が一体となってステージを作り上げていた。また、トロッコの形をした“馬車”に乗り込み、スタンド席の両サイドを進みながら客席と近い距離で歌うシーンも見受けられ、後方のプロデューサーさんも大きく盛り上がっていた。
このSSA公演にアイマスライブとして初めて出演したのは田澤さんと原田ひとみさん。時代劇観賞や忍者グッズ収集が趣味という“くのいち忍ドル”のあやめを演じる田澤さんは、ビジュアルからすぐにあやめと思えるほどの風貌で登場し、数々のユニット曲に参加。さらに嘉山さん、高田さん、立花さん、新田さんとともに、ユニット「春霞」のオリジナルメンバーが初めてそろった形で「桜の頃」を披露。桜の頃は和をイメージした楽曲ということもあり、忍者さながらの凛とした表情で歌う姿が印象的だった。また挨拶では初めての大舞台に立てたことの幸せを語るとともに、アンコールで披露した「M@GIC」において口上も披露し、存在をアピールしつつ会場を沸かせていた。
そして原田ひとみさんが演じる愛梨は、2012年に行われたソーシャルゲーム版の第1回シンデレラガール選抜総選挙において1位になった初代シンデレラガールであり、持ち歌の「アップルパイ・プリンセス」は、2013年にCDをリリース。しかしながら、これまでのアイマスライブで披露される機会はなく、出演が待ち望まれたキャストのひとりだった。
今回はYes! Party Time!!に続く2曲目でソロ・ユニットパートのトップバッター、さらにアップルパイ・プリンセスを歌いだすところからいきなり登場したということも相まって、待ちわびていたと言わんばかりの歓声が起き、それに応えるように愛梨を持つ柔らかい雰囲気を出しながら歌い上げていた。ほかにも大坪さん、高橋さん、都丸さん、のぐちさんとともに、こちらもユニット「Sweetches」のオリジナルメンバーが初めてそろって「Sweet Witches’ Night ~6人目はだぁれ~」を披露。のびやかに歌声を響かせていた。トークでは多くを語らなかったものの、愛梨をステージに立たせることができたこと、そして一緒に立てたことの喜びを語った。また終演時に退場する際、最後にひとり手にしている旗を大きく振り、そして深々と長いお辞儀をして感謝の気持ちを表すと、大きな拍手に包まれていた。
シンデレラガールズの世界では多数のユニットも結成されているなか、SSA公演では大人数のキャストが集ったということもあってか、前述にように初めてオリジナルメンバーのキャストが全員そろったというユニットも少なくはなかった。そのうちのひとつ「メロウ・イエロー」の下地さん、都丸さん、藤田さんは「Kawaii make MY day!」をライブ初披露。3人がおそろいのアクセサリーを身に付けていたことを明かしつつ、トークでは楽曲が披露できたことを喜んでいた。またそろわなかったユニットでも、アイドルの3Dモデルをモニターに表示させ、一緒にステージに立って踊るという演出も見られた。
中盤では、シンデレラガールズのマスコットキャラクターでもある「ぴにゃこら太」が「DJぴにゃ」として選曲していくという設定のもと、「Serendipity Medley!!!」と題したメドレーコーナーも実施。例えば、クール属性のアイドルが歌うことで定番の「Nation Blue」を、パッション属性のアイドルが歌唱する、あるいはお菓子作りが趣味のかな子の持ち歌「ショコラ・ティアラ」を、ドーナツ好きの法子を演じる都丸さんが歌唱するというように、シンデレラガールズの楽曲をユニット・ソロ曲問わずカバーしていくもの。
誰が何を歌うかわからないといったドキドキ感があるなか、たたみかけるように登場する夢の組み合わせに大興奮。細かいところで、アイドルにあわせたセリフに変えて披露するといった遊び心も随所にちりばめられていた。とかく歓声が大きかったのは、上坂さんと洲崎さんによるユニット「LOVE LAIKA」で、神崎蘭子の持ち歌「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律」を披露した場面。また、松井さんが渋谷凛の持ち歌を歌う場面では、演じる奈緒が凛と北条加蓮とともにユニット「Triad Primus」を組んでいることから、セットリストも「絆の『Never say never』」と付けられ、凛に対してのメッセージを送ると大歓声が沸き上がっていた。
ほかにも、テレビアニメ版映像商品の特典となっていた「You're stars shine on me ~For Miku rearrange Mix~」や「ミツボシ☆☆★ ~For Minami rearrange Mix~」といった、リアレンジ&カバー曲も盛り込まれ、プロデューサーさんにとってはうれしいサプライズとなっていた。
見どころはすべてといえるライブのなかでも、筆者が一番印象的だったのは、締めくくりとなる大人数で歌う全体曲の手前で、最後のソロ・ユニット曲となった「ハイファイ☆デイズ」だ。ユニット「L.M.B.G」(リトルマーチングバンドガールズ)より、CDのオリジナルメンバーである黒沢さんと春瀬さんに加え、大坪さん、佐藤さん、高森さん、田澤さん、杜野さんが参加。黒沢さんと春瀬さんが冒頭であおりを入れつつステージをけん引。そしてプロデューサーさんのコールとクラップを受けつつ、7人がかけ声をあげたり大きくジャンプしたりと、賑やかなステージとなった。楽曲はギターサウンド全開の本格的なバンド曲ながらもどこか年少組が歌うイメージがあるなか、新しい風が吹いたような一面を見せていた。そしてトリとまでは言わずとも、ひとつの締めくくりになる位置でこの曲が披露されたということも、個人的には感慨深かった。
このハイファイ☆デイズでセンターに立っていたのが佐藤さん。CDや初出となったスマホゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(デレステ)では楽曲に参加していないものの、演じるありすはL.M.B.Gのメンバーのひとりであり、関連コミックスの特典CDでは歌唱している。ありすはクール属性でどこかツンツンした側面を持つアイドルではあるが、後のトークで佐藤さんが“パッション橘”と表現していたように、両腕を上下に振る振り付けでも思いっきり振っているように見受けられるなど、ありすの内に秘めてた楽しい気持ちを出しながら歌っているように見えたところが印象に残った。また最後のあいさつのなかで言った「アイドルマスターはみんなが主役でキラキラしている」の言葉がこの日のステージ、しいてはアイマスライブ全般の魅力を象徴しているように思えた次第だ。
また余談ではあるが、メドレーコーナーでは今回のライブツアーにおいてキャストの出演が叶わなかったL.M.B.Gのメンバーである市原仁奈の持ち歌「みんなのきもち」を、黒沢さん、佐藤さん、春瀬さんが披露していたのも印象に残った出来事だったのは付記しておきたい。
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