YouTubeにおける子供の情報のプライバシーをめぐって実施されていた調査について、Googleは過去最高額となる1億7000万ドル(約180億円)の制裁金を支払い、新しい規則を受け入れることで、米連邦取引委員会(FTC)およびニューヨーク司法長官と和解した。これを受けてYouTubeは米国時間9月4日、子供向け動画の取り扱いに関する抜本的な変更を発表した。
児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反したことに対する制裁金としては過去最高額だが、Googleの規模を考えるとその金額でも十分ではないとする批判の声が、反対票を投じた民主党系FTC委員議員などから挙がっている。Googleの2018年の業績で考えると、1億7000万ドルは2日分の利益にほぼ相当する額だ。同額の売上高を、Googleは約11時間で生み出す。
しかし、FTCの消費者保護局長を務めるAndrew Smith氏は、この和解を、子供のデータプライバシーを保護するための戦いにおける「新たな前線」と呼び、1億7000万ドルの制裁金を超える意義があるとした。4日の合意は、YouTubeが保護者の同意なく子供たちから個人情報を違法に収集していた問題を解決する。
YouTubeは実質的に、YouTube上で子供向けコンテンツを視聴するユーザーは、その実年齢に関わらずすべて子供であるとみなすことになる。つまり、それらの視聴で収集されるデータを必要最小限に制限し、「サービスの運用を支えるために必要」なデータのみとすると、YouTubeは述べた。
Today we’re sharing several changes designed to better protect data on children’s content on YouTube. Starting in about four months:
— YouTube (@YouTube) 2019年9月4日
YouTubeはさらに、子供向け動画におけるパーソナライズ広告、コメント、通知の表示を廃止する。また、動画をアップロードするユーザーに対し、動画が子供向けである場合はYouTubeに申告することを義務付ける。これらの変更は2019年末頃に適用される予定で、そのほとんどがFTCとの和解条件の一環だ。子供向けと分類された動画の取り締まりに使われるYouTubeの機械学習には、FTCの条件は適用されない。
FTCによると、子供向け動画を投稿しながら、子供向けとして申告していないチャンネルは、FTCによって「厳しい」罰金を科される可能性があるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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