ファストドクターは9月2日、グロービス・キャピタル・パートナーズなどを引受先とした第三者割当増資により、シリーズA資金調達を実施したと発表した。調達額は非公開。
また、同社の代表パートナーである高宮慎一氏が社外取締役に就任した。
同社は、夜間と休日に特化した医師による医療相談・救急往診支援サービスを事業の基軸とし、年間4万件以上の医療相談と年間1万件以上の往診支援を行ってきたという。
その背景には、例えば2017年度中の救急車による救急出動件数が634万(対前年比2.1%増)で過去最多となったことなどが挙げられる。しかし、傷病程度別内訳をみると、軽症が最も多い約49%となっていた。
このような軽症患者の救急車利用を抑制し、救急車と高次救急医療機関が重症患者に集中できる医療ネットワークを構築することを同社は目指しているという。
また、一般的なクリニックにとっても、365日の救急往診態勢を構築することは負担が大きい。このような課題に対し、同社ではITを活用し、トリアージ・決済・レセプト・コメディカルの労務管理などの医療に付随する業務を一気通貫で効率化してきた。
今回の資金調達では、救急車の利用だけでなく、夜間救急医療全体の受診の適正化に貢献すべく、クリニック向けの救急外来支援サービスの提供を開始する。
具体的には、救急往診支援で培ってきた、トリアージ・診察・処方・決済までを医師1名で実施できるシステムを夜間救急外来にも応用することで、時間外でも最小限のスタッフで効率的に診療が可能な態勢を構築する。
さらに、これまで東京23区の住民をカバーできるクリニックを中心に支援してきたが、今後は地方医療への貢献も強化すべく、提携クリニック・連携先医療機関を拡大。複数のクリニックおよび、その後の搬送先病院などがスムーズに連携しあって時間外救急を提供できるようなシステムと患者受け入れ態勢を構築する。
加えて、エンジニアやマーケティング担当、事業開発担当などといったサービス運営スタッフの人材採用活動を強化するという。
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