葬儀事業を展開するベンチャー企業のよりそうは9月2日、金融機関系ベンチャーキャピタル6社から総額20億円の資金を調達したと発表した。引受先は、SBI インベストメント、ジャパン・コインベスト、新生企業投資、ナントCVC2 号ファンド、山口キャピタル、AG キャピタルの6社。
よりそうは、2009年3月に設立後、2013年に「よりそうのお葬式」(旧:シンプルなお葬式)や「お坊さん便」の提供を開始。高齢化や核家族化による葬儀・供養の価値観の変化を取り入れたサービス内容が支持され、2018年度末の累積問い合わせ件数は、2014年度末に比べて、よりそうのお葬式が約8倍、お坊さん便が約13倍に増えているという。
さらに、2018年3月には葬儀周辺のサービスをワンストップで提供するブランド「よりそう」を発表。2019年8月現在、加入することで葬儀・供養の特典が受けられる「よりそうメンバー制度」の会員は数万人規模まで成長しているという。
同社では今回の資金調達によって、(1)事業の成長を加速するための人材採用、(2)提供サービスの認知向上、(3)時代のニーズに合った葬儀プランの提案、(4)ライフエンディング・プラットフォーム確立に向けた新規事業開発に取り組むという。
具体的には、さらなる高齢化が進んでいく日本の今後を支えるため、現在手がける葬儀・供養サービスだけでなく、より広範なシニアライフに関わる領域へと事業を拡張。すべての老後の不安を包括的に解消する仕組みとしてのライフエンディング・プラットフォームを構築するという。それに向けて、エンジニアやマーケティング、カスタマーサポートなどの幅広い職種において採用を強化し、2020年度末までに社員数を現在の2倍にあたる約200名にすることを目指す。
また、同社のサービスの主な利用者層(50代から70代)に対して、現状のインターネットを中心としたマーケティングでは広く情報を伝えきれないことから、認知度を高めるため、紙媒体やマスプロモーションを始めとするオフラインマーケティングを強化する。
さらには、核家族化や高齢化によって、葬儀は「多くの関係者に故人の死没を周知する大規模なイベント」から「家族と親しい人たちが個別に心のこもったお別れを行う小規模なイベント」へと変化していることから、時代のニーズに合わせた葬儀プランの開発を通じ、新たな葬儀・供養のあり方を提案するとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」