ーーこれまでコラボしていたゲームなどで、復刻イベントもかなりたくさん開催されました。
荒巻氏 :サービス終了の告知してから、復刻イベントのお問い合わせがものすごく多かったです。
岩朝氏 :あんなに復刻があったのは、こちらからアプローチしたのかと思っていました。
荒巻氏 :違います(笑)。「これを機会に復刻しませんか」というお話を本当にたくさんいただきました。
寺嶋氏 :岩朝から引き継いだ時「たくさんコラボをやって」と言われたんです。それが活きてますね。
岡村氏 :あとサービス移管の問い合わせもかなりあって。復刻とあわせててんやわんやの状態になりました。
寺嶋氏 :僕のところにも問い合わせがありました。
嶋田氏 :エンジニアのなかでも「移管しないの?」みたいな話題がありましたね。
岡村氏 :役員にも話が来たようで。いろんなルートから話をいただいたのですけど、最終的には事情があって移管できないというところと、IPを自社でも持つというところでお断りをしました。
岩朝氏 :最後は報われた感じがあるんですね。
岡村氏 :細々と続けるよりも、幸せだったのかなと思いますね。
荒巻氏 :サービスを終了するのに、ハッカドールの復刻コラボが頻繁にあって「本当に終わるの?」という反応もあるんですけど、終わります。
ーーあと、サービス終了を告知したブログのソースコードを開くと、謎の文章が書かれていますけど、たしかサービス開始前のティザーサイトでもあったかと思います。
岡村氏 :出だしと終わりが、時を超えてリンクしているように思います。
ーーたしか、最初のをやりだしたのは岩朝さんですよね。
岩朝氏 :そうです。
荒巻氏 :見返すと面白いです。なんでこれをやったんだろうなと思います。
岩朝氏 :それは……理由を聞かれても困る。
嶋田氏 :それはオタクだからです。オタクの行動に理由はないですから(笑)。
岡村氏 :前にやったことを、今のメンバーでも再現しているというのは、歴史がつながっているという感覚がありますね。
荒巻氏 :それをユーザーさんが気付くんですよね。なんかあるんじゃないかと思って。だいたい、ブログのサービス終了告知のソースコードなんて、普通は見ないですから。
嶋田氏 :よく覚えていたなと。
岩朝氏 :どんだけ懐古厨なんだ(笑)。
ーー終わることが告知されたときの、みなさんの周囲での反応はありましたか。
荒巻氏 :社内でもいろんな方から声をかけられました。
寺嶋氏 :社内でも愛されていた感じはあります。
岡村氏 :チーム単独で続けられるものではなくて、理解と無償のヘルプとかがないと続かないものでした。
寺嶋氏 :DeNAは当時、美少女Mobageやハッカドールのようなアプリが珍しく映ったんです。そのときはまだDeNAにいなかったのですけど、こういうのやるんだと驚いた記憶があります。DeNAにもオタクがいて、陰ながら支えてくれたところはありますね。
岡村氏 :ハッカドールに広告を入れていくというタイミングで、いろんなエースと呼ばれている人たちが、気が付いたら手伝ってくれていた時期はありました。もうかってないし、伸びているわけではないけど、頑張っている人たちがいるのでヘルプするか……というのが積み重なって、5年間やってこれた感じがします。
岩朝氏 :ハッカドールの始まりは、今の自分の目から見たり、ここにいるメンバーから見ると拙いスタートだったと思うのですけど、よく続いたと思います。それを考えると、チャレンジを許してくれた当時の上長や周囲の方々、手弁当でやってくれたエンジニアやデザイナーのみんなが、すごくやさしかったんだなと思います。それがないと、こういうチャレンジができないので。
岡村氏 :こういう終わり方をできるぐらいなので、そういう考え方とか雰囲気は今でもあります。
岩朝氏 :熱量で何とかしていたときには気づかなかったんですけど、温かかったんだなと。たまに会社を見て「エンタメを考えてるのかな」と思うときもあることはあるんです。でも、ほかの部署や全体を見る経営層と話をするなかで意外とちゃんと考えているというのが、当時にはあって今も残っているので、なかなか捨てたものじゃない。そういう結論に至れたことが良かったことだと思います。
ーーIPとしてのハッカドールは残りますけど、キャラクターはどうなるのでしょうか。告知では「無職ですか?」とも言ってましたが……。
岡村氏 :就職先を失ったことは事実です。
荒巻氏 :再就職先を募集中です。
岩朝氏 :一迅社から発売されたコミックス(「ハッカドールINこみっくす」)の特装版で付属していたドラマCDに、ハッカドールが無職になったお話を書いたんです。今までいろんなハッカドールのお話を考えましたけど、これが最高傑作です。ぜひ聴いてください。
嶋田氏 :もう市場にはほとんど出回ってないですけど(笑)。
ーーたしか、青少年に向けたインターネット啓発の取り組みにおけるリーフレットでは、ハッカドールのキャラクターが使われています。
岡村氏 :そうですね。メインとして活動する場は、サービス終了とともになくなりますけど、キャラクターがなくなるわけではないです。そして、永遠に生き続けるものだと思うので、いずれ「なんでハッカドールって言うんだろうね?」というぐらいになれればいいかなと思います。
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