Facebookの新しい暗号資産(仮想通貨)「Libra」は、まだ運用開始前だが、このプロジェクトへの懸念は高まる一方だ。
Bloombergの記事によると、欧州委員会(EC)は現在、Libraが競合企業を不公平に締め出すおそれがないかどうかを調査中だ。欧州連合(EU)の独占禁止当局による質問票の内容から明らかになったという。
Facebookとパートナー27社は6月、Libraの計画を発表した。それ以降、Facebookは、犯罪者による悪用や米ドルへの悪影響を懸念する米国議員らからの反発に直面してきた。Facebookは、議員らの懸念にすべて対処するまでLibraを提供しないとしている。
FacebookはLibraを2020年上半期に運用開始する計画で、この通貨を管理する団体Libra Associationが設立されている。Libraは、法定通貨などで構成される通貨バスケットに連動するため、ほかの仮想通貨のような激しい価格変動がないとされる。Facebookは、Libraを使うことで従来の銀行よりも安価な国際送金が可能になり、特に開発途上国で金融サービスの利用が拡大する可能性があると述べている。
Bloombergの報道によると、EUは、データの共有や消費者情報の利用について「競争が制限される」おそれがあることを懸念しているという。今回の調査は、Libra Associationのガバナンスとメンバーを対象にしている。ただし規制当局は、Libraに対応するアプリが今後、Facebookの「Messenger」や「WhatsApp」といったメッセージサービスにどのように統合されるのかということについても調査している。
Facebookはこの調査に関するコメントを控えた。米CNETはECにコメントを求めたが回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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