外見の精巧な再現を楽しんだあとは、早速起動だ。本体を開いて中のRaspberry Pi Zero WHにSDカードを挿すのだが、本体の上下はハメ込みではなく磁石の力で付いてるため、開けやすく何度開閉しても結合が緩くなることもない。
接続にはまず、映像出力用にminiHDMIのケーブルが必要。そして、さらにキーボードなどを接続するためにいわゆるOTGケーブルも必要となる。さらに電源としてmicroUSBのケーブルとACアダプターなどが必要だ。電源ケーブルは一つは持っているかもしれないが、OTGケーブルとminiHDMIは手持ちがないかもしれないので、事前に用意しておきたい。miniHDMIコネクターの周囲にはスペースの余裕があるのでアダプターでも利用できそうだ。
準備が整ったら、早速起動だ。Raspberry PiでLinuxを起動するよりもおそらく短い時間でN-BASICが起動する。あの懐かしい画面が出て、BASICのコマンドを受け付ける状態になっている。
まずはゲームという人はF12を押せばそのまま平安京エイリアンなど16種類のゲーム画面になるが、そのままBASICを懐かしみたい人はキーボードからコマンドを入力できる。
手始めに、画面に「print 1+1」と入れてENTER、というよりも昔でいうリターンキーを押せば、すぐに「2」と表示される。次に簡単なプログラムでも書いてみる。2つの数字を入力すると、合計の数が表示されるというものだ。
コマンドもプログラム入力も差のないBASICでは頭に行番号を付けてプログラムを打ち込んでいく。打ち込み終わったら「run」としてリターン。ファンクションキーはそのまま入力を代替するものとなっており、F5を押せば r u n リターンを押したのと同じになる。
ここまではどのBASICでもほぼ共通だが、この先になるとN-BASICの特徴を覚えていないと難しくなってくる。筆者の場合、N-BASICももちろん触っていたが、N88-BASICやN88-BASIC(86)とそのMS-DOS版に記憶を上書きされてしまった頭では、最初はエラーの連続だ。
すでにN-BASICの入門書なども処分して持っていない。初期のころにBASICを覚えたNHK「マイコン入門」のテキストはどこかにあるかもしれないと思っていたが、見つからない。余談だが、個別の機種名を明らかにできないNHKでは放送でPC-8001を「機種X」としてて型番のところにシールを貼って登場させていたが、テキストには広告もある上に誰が見てもPC-8001であることは明らかで、NHK教育テレビの影響でN-BASICを習った人も多いかもしれない。
ちなみに、当時とは違うこともある。それは、電源を切るときの儀式だ。当時はいつ電源を切ってもその瞬間にデータやプログラムがなくなるものの壊れることはなかったが、このミニチュアの場合、F10を長押し、電源を切る手順を踏んでからでないとmicroSDカードの中身が飛んでしまう恐れがある。これだけは守っておきたい。
さて、N-BASICにはグラフィックといえるほどのようなものはないが、例えば画面に円を描くにしても、円を描く「CIRCLE」コマンドがないほか、最初に画面を消去するコマンドも「CLS」が使えず「PRINT CHR$(12)」としなければならないなど制約が多い。しかも、最初に「CONSOLE」コマンドでカラーモードに変更しなければならない点や、数ドット単位の同じエリア内に複数の色が存在できないといったことも少しずつ思い出す。
N-BASICの簡単なコマンドや関数であればF11を押せば説明が出てくる。N-BASICの画面の右側が少し隠れてしまうが、N-BASICの画面の操作も同時に可能だ。ただし、内容には限りがありコマンドやキャラクター表、キーボードマトリクスなども収録されているもののパラメータの説明までは記載されていない。筆者もほとんど忘れているので、活用するなら当時の教科書が必要になりそうだ。
それでも、記憶を呼び戻すきっかけにはなり、なんとか日の丸を描くプログラムを作成してみた。
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