角川ドワンゴ学園N高等学校(N高)は8月5日、沖縄を拠点とするサッカークラブ「沖縄SV」の運営会社で、サッカー元日本代表の高原直泰氏が代表を務める沖縄SVとの業務提携に合意したと発表。ジュニアアスリート育成の教育環境の提供と地域貢献に取り組む。またN高ではアスリートクラスを新設し、高原氏がアドバイザーとして就任するという。
沖縄SVは、沖縄県うるま市を本拠地とするサッカークラブとして2015年に設立。世界に通用する選手を育成するべく、中学生と高校生を対象にしたアカデミー活動も実施している。今回の提携により、沖縄SV所属のユース選手で希望者はN高に入学することが可能。高卒資格取得のための学習をオンラインで行うことができ、効率的に時間を使えるだけでなく、合宿や遠征でも場所を選ばずに学習を進めることができるという。また年5日程度のスクーリングについても、うるま市の伊計島本校で行うため、通学の負担も最小限で、チーム活動に支障のない形で履修が可能となる。
東京都内のN高御茶ノ水キャンパスで、N高等学校校長の奥平博一氏と高原氏による会見を実施。奥平氏は、フィギュアスケートの紀平梨花選手や、テニスの望月慎太郎選手をはじめとした、世界の舞台でも活躍しているアスリートがN高の生徒として在籍し、学業との両立を図っていることを説明した。
高原氏は高校当時、学業との両立が大変だったと語る。ひとつの出来事として、入学した当時、17歳以下の代表に選ばれていたことから、最初の2週間ほど学校に行けなかったという。そのため出席したときには、勉強がどこに進んでいるのかわからない、異次元と感じられるようだったと振り返る。こうした背景もあり「世界のどこにいても授業が受けられるというのは、より時間を有効に使いながら、やりたいことに集中して取り組める環境があるということ。今の自分から見ると魅力がある」と語った。
アスリートクラスについては、スポーツ分野に長けた担任を配置し、学習面でのサポートをするとともに、スポーツ選手に特化したコーチングなどを行う考え。また、スポーツの種別を超えた交流をする機会を提供するとしている。
奥平氏は、世界で活躍し環境も見てきた高原氏によるアドバイスをもらいながら、カリキュラムなどを組んでいく考えを示した。またトップを目指すジュニアアスリートにとっては、お互いを高めサポートしあえるような存在も必要という観点から、スポーツの種別を越えたコミュ二ティ形成を考えているという。そして、これらのことを通じてN高としてサポートをすることができればと語った。
高原氏も、自分の競技だけを考えていくような環境は視野が狭くなるとし、競技の違うアスリートとの交流を通じて、考え方やトレーニング方法を知ったりうまく取り入れたりできればプラスになると同時に「負けたくない仲間がいることは、成長の大きな力になる」と語った。また、クラブとして選手育成が大切としながらも「子どもたちを1人の人間として成長させていくことが1番重要。N高は自分たちの足りないところを大きくサポートしてくれる存在」と提携に対する思いと期待を語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス