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楽天・三木谷氏「モバイルネットワークの民主化」を目指す

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 楽天が主催する大規模カンファレンス「Rakuten Optimism 2019」が、パシフィコ横浜で開催された。4日間に渡る会期の初日となる7月31日には、同社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏がオープニングキーノートに登場。「目指すはモバイルネットワークの民主化」という、10月スタート予定の携帯電話サービスなどについて解説した。


国内初開催、楽天サービスを一挙紹介する大型イベント

 Rakuten Optimism 2019は、パシフィコ横浜のホールAからDまでを借り切って行われる大型複合イベント。「5G時代を、先取りしよう。」をテーマに、体験型アトラクションや、お買い物パンダのグッズ販売コーナー、さらにはグルメまでが楽しめ、多くの来場者を集めていた。

 ビジネスカンファレンスも多数開催される中、三木谷氏はオープニングキーノートで登壇。楽天ではこれまで、通販、トラベルなど個別の分野ごとにイベントを開催する例が多かったが、これらをつなぎ、一斉に提示しようという観点でイベント開催に至ったという。なお、「Optimism(楽天主義、楽観主義)」と銘打ったイベントは昨2018年に米国サンフランシスコで初開催され、今回が2回目(国内初)となる。

楽天株式会社 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏
楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 楽天は1997年のスタート当初、販売加盟店は13店舗、初月流通額は約32万円(うち20万円程度は三木谷氏自身による買い物だったという)と極めて小規模だった。

 「当時のインターネット通信速度は速くても28.8kbps。それがいまや4G/LTEの普及により、10~20Mbpsが当たり前になった。回線は有線から無線になり、速度は1000倍。ただ、5G時代はここからさらに1000倍になってくいく」 三木谷氏はこう述べ、デバイスがデスクトップPC中心だったかつてからスマートフォン、さらにはウェアラブルへと変遷していったように、通信環境が根本的に変わったことを指摘。それに合わせる形で楽天のサービスも拡張・進化させていったと振り返る。

 楽天の国内会員数は1億人を数え、商品販売時などに付与される楽天ポイントの累計発行数は1兆2000億ポイントを超えた。事業のグローバル化にも積極的に取り組んでおり、全世界の利用者数は13億人、年間流通額は15兆円を記録している。

楽天の会員数は1億人を超える
楽天の会員数は1億人を超える

 楽天は通販、クレジットカード、トラベルなど多数のサービスを抱えており、それぞれが国内ナンバー1サービスであることも少なくない。ただ、これら単体で勝負するのではなく、その他のサービスも併せて総合的に提供することで、利用者に対してより大きな付加価値を提供するというのが、ビジネス面での基本的な考えだと三木谷氏は説明する。近年は、グローバル化のためのブランド戦略も強化。スペインの強豪サッカーチーム・FCバルセロナとの提携もその一環だという。ほかにも、動画配信サービスのブランドは「Rakuten TV(楽天TV)」へと国際的に統一した。

完全キャッシュレス化でスタジアムの売上が大幅アップ

 講演では、楽天が現在取り組んでいるプロジェクトを順次紹介した。まずはフィンテックおよびペイメント関連。楽天カード、電子マネーの楽天Edy、QRコード決済の楽天ペイなど、決済手段を多数提供する中、「完全キャッシュレス」を目指してスマートスタジアム構想を打ち出した。野球・東北楽天ゴールデンイーグルスおよびサッカー・ヴィッセル神戸のホームスタジアムにおいて、飲食・物販の店舗などにおいて現金を受け付けないこととした。

多岐にわたる決済関連サービス
多岐にわたる決済関連サービス

 ただ、企画段階では社内からの反対も多かったようだ。「社長がまた変なことを言っているぞ、と(笑) 最初は賛同を得られなかった。ただ楽天は挑戦する会社だ」(三木谷氏)

 両スタジアムでは年間で合計数十万人単位の客が訪れる。キャッシュレスに不慣れな高齢者への現場対応など、懸念もあった。しかし蓋を開けてみれば、飲食の購入金額が楽天生命パーク宮城では前年同期比で26.7%増、ノエビアスタジアム神戸では同50.2%増と、好記録をたたき出した。

 「普段ならあり得ない数値。だが(完全キャッシュレスを)実際にやってみると、現金のハンドリング、支払いのための待ち時間など、物理的な摩擦が消費をブロックしてきたのだと言えるのではないか」(三木谷氏)

完全キャッシュレス化により、スタジアムの売店で売上が大幅に向上した
完全キャッシュレス化により、スタジアムの売店で売上が大幅に向上した

 消費者だけでなく、店舗担当者から見てもキャッシュレスのメリットは大きい。紙幣を数える手間はなく、レジの金額で実際の釣り銭が合わずに店員同士で疑念が高まることもない。

 導入効果について、三木谷氏は「我々の想像以上だった」と述べたが、これに加えて顧客データ分析への道も開ける。入場した客はまずどの売店を利用したのか、席種の高低によって売店利用金額も変わるのか。当然、ロイヤリティプログラムとも連動できる。

 「中国ではキャッシュレス化が進んでいるが、日本でも恐らく20年以内、早ければ10年以内に、まったくキャッシュを見ない・存在しない時代がくるかもしれない」(三木谷氏)

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