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KDDI高橋社長、7pay終了は「他人事じゃない」--第1四半期は増収減益

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 KDDIは8月1日、2020年3月期第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比2.0%増の1兆2461億円、営業利益は前年同期比11.4%減の2558億円と、増収減益の決算となった。

決算説明会に登壇するKDDIの高橋誠氏
決算説明会に登壇するKDDIの高橋誠氏

 同日の決算説明会で、KDDI代表取締役社長の高橋誠氏は、減益となった要因を2つを挙げた。1つは、前年同期にミャンマー事業の決算期が変更になった影響で、前年度に6カ月分の利益を計上していた影響。そしてもう1つは、3Gのサービスが2023年3月末に終了することにともない、「下期になると(3Gの顧客が)色々なところから狙われるので、4Gへの巻き取りを積極的にやっている」(高橋氏)ことや、一部端末の評価減などの影響だという。

 そうした影響を除けば既存の事業は順調で、ライフデザイン領域はエナリスやじぶん銀行を連結化した効果もあって50億円の増益、ビジネス領域で59億円の増益になっているとのこと。通期予想の進捗率は25.1%とのことで、業績は計画通りだとしている。

一時的な減益要因はあるものの、ライフデザイン領域などの利益は順調に伸びており、事業は好調に推移しているという
一時的な減益要因はあるものの、ライフデザイン領域などの利益は順調に伸びており、事業は好調に推移しているという

 主力の通信事業に関しても、auの契約者数の純減率は前年同期のマイナス6万5000から、3万8000へと下げ止まり傾向が見られるほか、傘下MVNOの契約数も合わせたモバイルID数は、前年同期比1.6%増の2703万に達しているとのこと。総合ARPAと総合ARPA収入も順調な伸びを見せており、着実に伸びているという。

auの契約純減数は3万8000にまで減少し下げ止まり傾向にあり、モバイルID数も好調に伸びているという
auの契約純減数は3万8000にまで減少し下げ止まり傾向にあり、モバイルID数も好調に伸びているという

「違約金1000円」の影響は?

 2019年秋に電気通信事業法が改正され、分離プランの導入が義務化されることとなるが、KDDIはいち早く分離プランを導入しており、全ての分離プランの契約数が6月末で1500万を突破したとのこと。

 一方、分離プラン導入以前に提供していた端末割引「毎月割」の加入者は6月末時点で15%にまで減少しており、「今年度末には9%にまで下がる見通し」(高橋氏)であることから、業績に与える影響も小さくなっているという。今後は7月26日より提供を開始した、データ通信量の上限がない「auデータMAXプラン」を推進することで、ARPAの上昇を目指したいとしている。

分離プランの契約数は1500万と、スマートフォン契約数の3分の2を占める規模にまで達したとのこと。その影響で毎月割の適用者数が減少し、業績に与える影響が小さくなっているという
分離プランの契約数は1500万と、スマートフォン契約数の3分の2を占める規模にまで達したとのこと。その影響で毎月割の適用者数が減少し、業績に与える影響が小さくなっているという

 その電気通信事業法改正に関して、総務省が6月に打ち出した「モバイル市場の競争促進に向けた制度整備(案)」では、2年契約の違約金上限が1000円になるなど厳しい規制が盛り込まれている。そのまま適用された場合の影響に関して高橋氏は、「当初思っていたより若干加入者の動きが変わると思っているが、それを前提にしても業績予想を変えるには至らないだろう」回答。

 6月に導入した新料金プランに関しても、新規参入の楽天モバイルなど他社の動向を見ながら対応は進めるものの、「当面これでいく」と、現行のプランを維持する考えを示した。

 一方、KDDIは決算発表と同日に、法改正の影響を受けて端末購入プログラムの「アップグレードプログラムEX」を、9月30日に終了させることを発表している。10月以降の端末値引き対応について、高橋氏は「ちょうど今検討している」と話しており、先の制度案では端末の値引き上限が2万円に制限されることから「今答えられる答えはないが、何かしらのやり方を提案する」としている。

 さらに高橋氏は、新中期計画に関する最近の取り組みについて説明。5Gに関してはエリクソン、ノキア、サムスン電子の3社をネットワーク機器ベンダーとして選定したことを明らかにし、ソフトバンクとの地方におけるインフラシェアリングなどで投資が抑制できることが見えてくれば、インフラ整備の前倒しをしていきたい考えも明らかにした。

5Gに関しては、すでにソフトバンクと地方でインフラシェアリングをすることを発表しており、その取り組み状況によってはインフラ整備が前倒しされる可能性があるという
5Gに関しては、すでにソフトバンクと地方でインフラシェアリングをすることを発表しており、その取り組み状況によってはインフラ整備が前倒しされる可能性があるという

 また9月に実施予定の5Gプレサービスに関しては、花園ラグビー場と豊田スタジアムの2カ所で、高精細映像伝送と警備ソリューションなどのトライアルを実施する予定であることが、新たに明らかにされた。その後コンシューマー向けに、スポーツとドローンに2分野に注力したエンタテインメント関連のトライアルも進めていきたいとしている。

 オープンイノベーションの取り組みに関しては、「KDDI DIGITAL GATE」の利用企業数がのべ200社に達し、2019年秋には大阪と沖縄にも開設予定であることや、スマートドローンプラットフォームに関して、韓国のLGユープラスと提携したことなどが示された。また、5Gでの注力分野の1つである地方創生に関しても、63の自治体と協定を結び積極的に取り組んでいるという。

7pay終了は「他人事じゃない」

 個人向け領域として力を入れている金融・決済の分野に関しては、QRコード決済「au PAY」の利用者が開始4カ月で400万人、利用可能箇所が100万カ所を突破したとのこと。また、カブドットコム証券のTOBとau損害保険の子会社化が完了したことなどを説明した。

「au PAY」はサービス開始から4ヵ月で、登録者が400万人に達するなど好調に伸びているという
「au PAY」はサービス開始から4ヵ月で、登録者が400万人に達するなど好調に伸びているという

 なお、同日にはセブン&アイ・ホールディングスが、不正が相次いだQRコード決済サービス「7pay」の終了を発表した。高橋氏はこの件について、「新しい決済方法が出るとセキュリティの穴を狙ってくる人が多い。他人事じゃない」と回答。

 「au ID」の開始当初からセキュリティに関しては慎重な取り組みをしてきたと説明するとともに、今後に関しても「しっかり監視しながら対応したい」と話した。

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