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シャープ戴社長が発信した「プラス経営」とは--新たな価値、事業を生み出す足し算経営 - (page 2)

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AIoT機器は累計270種類まで拡大

 

一方、「AIoT World」については、「AIoT機器事業」、「COCORO HOMEサービス事業」、「COCORO OFFICEサービス事業」、「AIoTプラットフォーム事業」の4つの事業領域の拡大に取り組んでいくことを宣言。最初のAIoT機器事業では、自社製品のAIoT化を進めるとともに、現時点では累計約270機種まで拡大したB2C向けのAIoT機器を、2019年度中には400機種以上まで拡大する予定を示した。

 2つ目のCOCORO HOMEサービス事業では、現在、約120万人のCOCORO MEMBERS会員を、2021年度中には1000万人まで拡大。共働き世帯、シニア層、女性、子供、ペットの5つを重点セグメントに位置づけ、魅力ある課金型のスマートライフサービスの創出を加速していくという。

 

3つ目のCOCORO OFFICEサービス事業では、今後、「TeleOffice」や「SHARP Works(チャットサービス)」をはじめとしたさまざまなサービスを、AIoTプラットフォーム上のCOCORO OFFICEサービスに一元化するとともに、他社との協業も含め、新たなサービスの創出を加速。顧客ニーズに合わせて個別にカスタマイズした独自のソリューションの提供を行うという。

 さらに、AIoTプラットフォーム事業では、大手プラットフォーム事業者にはないAIoTプラットフォームの独自の特徴を生かすことを掲げ、具体的には、「家電を通じた実生活データの利活用が可能」、「取得したデータの活用権は機器・サービス事業者に帰属させる」、「サービス事業者やメーカーの要望にあわせて、インターフェース仕様を柔軟に対応する」といった3つの特徴を武器に、今後、さまざまなパートナーとのアライアンスを本格的に展開。他社プラットフォームとの相互接続も進め、AIoTの世界を一気に拡大していきたいとしている。

ASEAN事業は年平均30%弱の高成長を継続

 

そして、「こうした4つの事業領域における戦略の実行を一層加速することを狙いに、組織再編についても検討を進めている」との考えを示した。

 さらに、戴会長兼社長は、ASEAN事業への取り組みについても説明した。「ASEANでは、2016年度以降、B2C事業を中心とした事業拡大に取り組み、年平均30%弱の高成長を続けてきた結果、商品事業における地域別構成比は、15%程度にまで高まっている。今後もこの勢いを継続すべく、さまざまな取り組みを推進している」とした。

 7月2日には、フィリピンで、「Better Solutions for a Better Life」をテーマに、新製品発表会およびディーラー大会を開催し、「Entertainment Solutions」、「Business Solutions」、「Clean and Comfort Solutions」、「Health & Beauty Solutions」の4つの切り口でシャープが持つ幅広いソリューションを提案。7月16日には、インドネシアで、全自動洗濯機の製造ラインの正式稼働を発表し、今後拡大が見込まれるインドネシア国内における需要を取り込むだけでなく、周辺国への輸出も予定していることを示した。

 

「発表会に出席したインドネシアのハルタルト工業相からは、『インドネシアの輸出拡大につながることを期待している。今後もしっかりと国内の製造業を支援していきたい』とのコメントをもらった」と紹介した。

 さらに、ASEAN事業の飛躍のためには、B2C事業だけでなく、B2B/B2G事業の強化が必要であることを示し、「こうした狙いのもと、6月20日には、タイで、Bangkok Mass Transit System PCL(BTS)および、VGI Global Media PCL(VGI)とともに、BTSが運営する高架鉄道のバンコク・スカイトレインへのプラズマクラスター導入に向けたMOU(Memorandum of Understanding:了解覚書)を締結した。これはタイでは初の取り組みであり、これを皮切りに、今後、本格展開していきたい。さらに、VGIはタイにおける屋内外広告媒体プロバイダーであり、今回のMOU締結を契機に連携を一層強化して、タイでのデジタルサイネージソリューション事業の拡大を加速する」と述べた。

 そのほか、7月22日には、マレーシアで、同国観光庁の新たなロゴを発表する式典が行われたのにあわせて、シャープがパートナー企業の一員として式典に出席して、マレーシア観光庁と、観光誘致に向けた協力関係構築に関するMOUを締結。「式典では、マハティール首相から、『シャープはマレーシアに最も貢献してくれている企業のひとつであり、今回、マレーシアのPR活動にも協賛してもらえることになった。日本でもマレーシアをアピールしてもらえることに期待している』と、シャープに対する期待の言葉をもらった」と紹介した。

 戴会長兼社長は、「今後、ASEANにおいては、B2C事業とB2B/B2G事業の両面で取り組みを一層強化し、持続的成長に向けた、より強固な事業基盤の構築を進めていこう」と呼びかけた。

dynabookの誕生30周年、事業のトランスフォーメーションを加速

 次のテーマにあげたのが、「dynabook Day 2019」である。7月9日に、東京で、世界初のノートPCであるdynabookの誕生30周年企画の一環として、「dynabook Day 2019」を開催したことに触れ、「このイベントでは、Dynaboookが目指す方向性である『dynabook as a Computing』、『dynabook as a Service』を具現化した商品やサービスを一斉に展示し、取引先や販売パートナーに紹介した。また、メディアに対して、サービス事業拡大戦略発表会を開催。覚道(清文)社長から、サービスやソリューション事業の拡大に向けた具体的戦略について説明するとともに、クラウドサービス分野におけるマイクロソフトとの連携強化についても発表した。dynabook Day 2019は、目標人数を上回る多くの方々が来場し、『Dynabookの勢いが感じられるイベントだった』といった前向きなコメントを多数もらい、盛況となった」と振り返った。

 また、「シャープが事業変革を成し遂げる上で、Dynabookを中心としたICTグループは極めて重要な役割を担う。Dynabookの社員には、今回発表した戦略を一日も早く具体化し、事業のトランスフォーメーションを加速してくれることを期待している」と述べた。

オリンピック特需を貪欲に奪い取り、業績向上へ

 一方で、7月16日に開所式を行った「創意館」についても説明した。ここでは、今回のメッセージのテーマとなった「プラス経営」について説明するものとなった。

 戴会長兼社長は、「2018年6月に、堺匠寮 誠意館を開所して約1年が経過。堺匠寮の2棟目となる創意館の開所式を、7月16日に開催した。その後、速やかに創意館への入寮を開始し、7月末までには満室になる予定である」とし、「この寮名には、当社の経営信条である『誠意と創意』を、私たち一人ひとりが今後も大切に継承していくという思いを込めている。いま、シャープは、事業変革を進めるなかで、『Technology Up』、『Quality Up』、『Value Up』といったコアとなる技術力を高め、卓越した品質のモノや、サービス/ソリューションを創出し、お客様に提供する価値を最大化するといった取り組みを進めている」とした。

堺匠寮の2棟目となる創意館
堺匠寮の2棟目となる創意館

 さらに「このためには、誠意を持って、お客様に真摯に向き合うとともに、創意を持って新たなアイデアを創出していくことが大切である。さらに、私たち自身のマインドも、削減や効率化一辺倒の引き算の発想である『マイナス経営』から、新たな価値や新たな事業を生み出していくという足し算の発想である『プラス経営』へと変えていかなくてはならない。たとえ、拠点の集約や閉鎖、不採算事業の見直しといった構造改革を実行するにあたっても、単なる削減や効率化ではなく、『集約先の拠点で新たな化学反応を起こし、新規事業の創出につなげるためにはどうすべきか』、『単に拠点を閉鎖するのではなく、事業拡大に向け、再活用することはできないか』、『これまで蓄積した技術や販路を有効活用できないか』といった『プラス経営』へとマインドを転換することにより、より良い成果へとつなげていくことが可能になる。このように、私たち一人ひとりが、『誠意と創意』、そして『プラス経営』のマインドをしっかりと持ち、新規事業の創出やM&A、協業などを通じた新たな価値の創出を一層加速することにより、事業変革を早期に実現しよう」と、社員に呼びかけた。

 メッセージの最後に戴会長兼社長は、「2020年7月24日の東京オリンピックの開会まで、あと1年となった。オリンピックの開催に伴って、B2C、B2B/B2Gのいずれの分野においても大きなビジネスチャンスが期待できる。世界経済の不透明感が一段と増す状況下で、国内を中心としたオリンピック特需を貪欲に奪い取り、2019年度業績をさらに向上させていこう」と、社員に発破をかけた。

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