反応は、すばやく、声高で、予測できるものだった。「Facebookは少額の罰金で逃げ果せた」と多くの人が感じている。Facebookと米連邦取引委員会(FTC)が制裁金50億ドル(約5400億円)で和解したことは、ほぼすべての人にとって拍子抜けで、残念な結果だったらしく、米国の民主党、共和党、消費者保護団体、プライバシー強硬論者を団結させるという事態を招いている。
今回の和解は、ユーザーから収集した個人データを利用してターゲティング広告を提供することを拠り所とする、Facebookの中核的なビジネスモデルの変更を強いるところまでは、ほとんど踏み込んでいない。収集するデータの利用方法を開示していないことについても、ほとんど罰していない。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏や最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏などの同社幹部らに対し、監督下で起きた問題に対して個人的に責任を負うことも求めていない。
和解で義務付けられたのは、プライバシーに関する決定事項を確認する委員会をFacebookの取締役会内に設置することと、新しいプライバシープログラムを設けることだ。また、そのプログラムが、ユーザープライバシーを保護することを目的としたFacebookとFTCの間の法的合意に従っていることを、Zuckerberg氏が個人的に認証することが求められる。50億ドルは、消費者のプライバシー侵害問題で企業に科した制裁金としては過去最高額だと、FTCは述べている。FTCは、賛成3票、反対2票でこの和解案を承認した。各委員が党の方針に従って投票した結果だった。最終的にはまだ、裁判所の承認が必要だ。
しかし、Facebookに批判的な人々に言わせれば、今回の合意は、少々高額な(ボードゲーム「モノポリー」の)刑務所釈放カードにすぎなかったという。
「今回の和解には、ユーザーに対するFacebookの怪しい監視体制とユーザーデータの不正使用を変更させる効果はまったくない。(中略)効果的な形でFacebookを罰することに、完全に失敗している」と、Josh Hawley上院議員(ミズーリ州選出、共和党)はツイートした。
This is very disappointing. This settlement does nothing to change Facebook’s creepy surveillance of its own users & the misuse of user data. It does nothing to hold executives accountable. It utterly fails to penalize Facebook in any effective way. https://t.co/kJjGwUNiRv
— Josh Hawley (@HawleyMO) 2019年7月24日
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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