Facebookは米国時間7月23日、オープンソースの地図データソースを目指す「OpenStreetMap(OSM)」プロジェクトに対し、自社の「Map With AI」サービスを開放すると発表した。
Map With AIサービスと関連して、FacebookはOpenStreetMapの編集ツール「iD」のAIバージョンといえる「RapiD」をリリースすることも発表した。
地図データの重要度はますます高まっている。AppleやMicrosoftなどのベンダーが検索サービスから地域の店舗への道順まで、あらゆるものの地図データを手に入れることを目指しているが、現在のところ、優勢なのはGoogleだ。
Facebookの取り組みの狙いは、地図データから利益を得ることに加えて、オープンソースコミュニティーとの協力の下、まだ地図に載っていない何百万マイルもの道路の地図を作成することにある。OpenStreetMapでは、まだ地図に載っていない道路や建物、橋の地図を作成する作業にボランティアたちが忙しく取り組んでいる。Facebookによると、AIのおかげで、タイの欠けていた道路(約30万マイル=約48万2800km)の地図を18カ月で作成し、インドネシアの欠けていた道路の90%以上に対応することに成功したという。従来の方法だと、これらの地図を作成するのにあと3~5年かかっていただろうと同社は述べた。
Map With AIサービスでは、AIによって生成されたアフガニスタン、バングラデシュ、インドネシア、メキシコ、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダの道路地図にもアクセスできる。このサービスが対応する国の数は、時間と共に増えていく。RapiDでは、ボランティアが地図データを追加したり、編集したりすることも可能だ。
遠隔地のデータは当初、災害復旧や赤十字のような組織の役に立つが、これらの市場が発展するにしたがって、Facebookも恩恵を受けられる可能性がある。Facebookは、より高品質な地図データを「Facebook Marketplace」や「Facebook Local」で利用することができる。
Map With AIでは、機械が衛星画像を通して画像内のパターンを見つけることを学習できるように、コンピュータービジョンを使用する。このAIシステムは道路の可能性があるものを識別し、強調するよう訓練されている。そこからボランティアらがAIの提案を精査し、本物の道路かどうか確認する。
このコンピュータービジョンシステムはディープニューラルネットワーク(DNN)を利用して道路である確率を強調し、確実性を示すのに色を用いる。
要点は以下の通り。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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