Facebookは、新たに発表した仮想通貨「Libra」を同社のソーシャルメディアのプラットフォーム上で提供するとうたう複数の偽のアカウントにすでに頭を悩ませている。The Washington Post(WP)が米国時間7月22日に報じた。Libraは2020年上半期に運営が始まる予定だが、FacebookとInstagramではLibraの提供などを標榜する十数件の偽のアカウントやグループ、ページがすでに存在しているという。
Facebookは6月、非営利団体のLibra協会が運営し、「Calibra」と呼ばれるデジタルウォレットサービスを使用するグローバルな仮想通貨を発表した。FacebookはLibraの立ち上げに向けてPayPal、Visa、Uber、Coinbase、Lyft、Mastercard、Vodafone、eBay、Spotifyを含む27のパートナーと協力しているが、2020年までにLibra協会に100の団体を加盟させることを目指している。Libraは製品の購入、国境を越えた送金、寄付などへの利用を目的としている。
すでにオンライン上にある偽アカウントの中には、不正の疑いがあるサードパーティーのサイトを訪れた人にLibraを割引価格で提供すると説明しているものもあり、Facebookがいかに「信頼回復と、この新たな金融システムを狙う可能性がある詐欺の撲滅に悪戦苦闘しているか」を浮き彫りにしているとWPは報じている。
世界中の議員や政治家などが相次いでLibraに対して疑問を提起している中、米連邦準備制度理事会(FRB)のJerome Powell議長も11日、Libraについて「深刻な懸念」を抱いていると話したという。Libraは発表以降、懐疑的な見解や反発に多く直面しており、米国や欧州の政治家が発表直後に懸念を示した背景には、同社のデータセキュリティー問題が取りざたされた過去がある。
Calibraの責任者のDavid Marcus氏は3日、Libra協会が「規制機関や中央銀行、議員らとの連携作業に尽力し、既存の金融システムが取り組んでいる類いの問題にLibraが役立つよう努めている」と述べた。
Marcus氏は10日にツイートで、Facebookがこれほど早い時期にLibraを発表したのは、導入についての懸念に十分に対処できるようにするためだったと述べた。
Facebookの広報担当者は米CNETに対し、同社は「ポリシーに違反する広告やページを発見した場合は削除している」と述べた。
「当社はつねにプラットフォーム上の詐欺の検出精度の向上に取り組んでいる」と同社の広報担当者は22日遅くに電子メールの声明で述べた。
Libraにコメントを求めたが、すぐには回答を得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」