EU、クアルコムに約290億円の制裁金--米ハイテク企業への風当たり強く

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年07月19日 08時42分

UPDATE 欧州の競争委員会は長年、独占的地位を乱用して競合企業を抑圧するハイテク企業に不快感を示してきたが、特に今週は欧州で事業を展開する米国大手ハイテク企業に対し、厳しい目を向けた。欧州連合(EU)の欧州委員会は現地時間7月18日、チップメーカーQualcommに対し、競合企業を市場から締め出すために自社の3Gチップセットの価格を引き下げたとして、2億4200万ユーロ(約290億円)の制裁金を科したと発表した。17日にはAmazonの調査を発表している。

EU

 5G時代に、EUが依然として3Gチップセットに目を向けていることに違和感があるかもしれない(この問題が起きたのは2009~2011年だ)が、Qualcommの調査は4年間続いていた。欧州委員会は、Qualcommは、競合企業のIceraを市場から締め出し、イノベーションの抑制につながる恐れがあったとしている。

 EUの競争政策を担当するMargrethe Vestager氏は、「Qualcommの戦略的な行為は、この市場の競争と革新を妨げ、革新的な技術に対する大きな需要と可能性のあるこの分野において、消費者に与えられる選択肢を制限した」と述べた。

 Qualcommはプレスリリースで、Iceraはその後、数億ドルでNVIDIAに買収されたと述べ、長期的には損害がなかったことを示した。Qualcommのエグゼクティブバイスプレジデントでゼネラルカウンセルを務めるDon Rosenberg氏は、制裁金について不服を申し立てる意向だと述べた。

 「競争を阻害する行為があったとの報告を裏付ける事実などないことを、欧州委員会がわかってくれるという自信があったため、長期にわたる調査のすべての段階で欧州委員会に協力した」「申し立ての中で、今回の決定には根拠がないことを明らかにする」(Rosenberg氏)

 2019年に競争政策担当委員の職務を離れて欧州委員会の副委員長に就任する予定のVestager氏は、米国のテクノロジー企業を糾弾したとしてDonald Trump米大統領から批判を浴びてきた。

 Trump大統領は、Vestager氏が米国を「憎んでいる」と非難したが、同氏はこれを強く否定した。Trump大統領は6月に発表した声明で、米国のテクノロジー企業の責任について、米国内では問われるべきだが欧州で問われるべきではないとの考えを表明していた。だが、米国のテクノロジー企業は、世界中のオーディエンスにサービスを提供し、欧州に拠点を置いている。つまり、現地の法に従わなければならないということだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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