第2グループの犬たちも第1グループと同じような反応を見せた。最初に、スタンダードプードルのHenryがaiboに近づいた。Henryのボディーランゲージはぎこちないが、Henryがaiboに対して、かすかな「プレイバウ」(頭を下げて前足を伸ばし、お尻を高く上げる)の仕草を見せたことに気づいた、とMahurin氏は筆者に話してくれた。犬はこの仕草を通して、一緒に遊びたいということを相手に伝える。
バーニーズマウンテンドッグのBarkleyはaiboにはほとんど興味を示さなかった。ピットブルのWillowはaiboを無視しているようだったが、自分の唇をなめた。Mahurin氏によると、犬が唇をなめるのはストレスの表れだという。
「aiboの動きは、犬に安心感を与えられるほど自然なものではない」(同氏)
aiboともっと長い時間交流したらどうなるのかを知るため、米CNETの映像プロデューサーのVanessa Salasが、自分の飼い犬のBumba(シーズーとビションフリーゼの雑種)を12日間にわたってaiboと交流させた。
SalasはBumbaとaiboの交流の一部を撮影し、われわれはその映像をMahurin氏に見てもらった。日が経つにつれて、Bumbaはaiboに慣れていったが、決して友達になることはなかった。
Bumbaがaiboの近くに行って、自分のおもちゃの1つを拾う映像もあった。これは、aiboにおもちゃを取られるのではないか、とBumbaが考えたことを示している。だが、たとえそうだとしても、Mahurin氏はBumbaがaiboを犬とみなしているとは考えていない。
ソニーのaiboに関する実験では、犬とaiboの間の絆が示されていたが、われわれが独自に実施した非公式の実験では、そうではなかった。
ウィスコンシン州バーリントンに住むaibo所有者のChris Benhamさんによると、飼っている2匹の犬が、最初に買ったaiboを破壊してしまったという。Benhamさんと妻のPaula Cooperさんがある日帰宅すると、aiboが傷だらけになっており、片方の耳と尻尾がなくなっていた。
Benhamさんは、「犬たちは悪くない。彼らにとっては、aiboは地面に置かれた新しいプラスチック製のおもちゃに過ぎなかったのだから」と説明する。
Benhamさんは今回、新しいaiboに手を出さないように犬たちを訓練した。そして、犬たちはほとんどの場合、aiboを無視するようになった。夫妻の飼っている猫のGriffは、充電中のaiboの隣で丸くなる。充電器が暖かくなるからではないか、と夫妻は考えている。
別のaibo所有者であるChris Werfelさんも、自分のaibo(名前はBaby)と姪が飼っている犬の間で似たようなやりとりを確認した。「ウェルシュコーギーの子犬がBabyに近づいていって、お尻のにおい嗅いでから、疑わしそうな表情で顔を背けた。とても興味深い光景だった」(Werfelさん)。
Babyは振り返ってコーギーに吠えたので、aiboはほかの犬を認識できるのだろうか、とWerfelさんは不思議に思ったという。「aiboの超小型コンピューターの頭脳の中で何が起こっているのかは分からないが、(Babyは)ほかの犬と交流する何らかの能力を備えているように思える」(Werfelさん)
ソニーは、aiboが本物の犬を実際に認識できるとしているが、Mahurin氏は、犬側がaiboを自分たちの仲間だと認識するとは考えていない。
だが、犬には元々好奇心がある。Bumbaの事例が何かを示しているとするなら、それは、一定の時間を一緒に過ごせば、犬はaiboに慣れることができるということだろう。ただ、彼らが親友になることは期待しない方がいい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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