競争を監視する英国の規制当局が現地時間7月5日、フードデリバリーサービスDeliverooに対するAmazonの出資に待ったをかけた。英競争・市場庁(CMA)が執行令を出したとGuardianは報じている。
CMAは、両社が「別々の企業ではなくなっている」ことに懸念を示した。つまり、両社が合併する可能性を懸念しているようだ。合併すれば、消費者の選択肢が狭まり、競争のルールが破られる恐れがある。
Amazonは5月に、Deliverooの5億7500万ドル(約630億円)の資金調達ラウンドを主導すると報じられた。Deliverooは、「Uber Eats」や「DoorDash」に対する競争力を強化できるとみられていた。
Amazonの広報担当者は電子メールの声明で、「この少数株式投資によって、Deliverooはサービスを拡大することができ、消費者に選択肢を拡大することでメリットをもたらすとともに、このサービスを利用するレストランが増加することで新たな雇用を生み出すと当社は考えている」と述べた。
Deliverooは声明で、同社とAmazonは「規制承認を得るために規制当局と緊密に」連携していると述べた。
広報担当者は、「レストランのフードデリバリー業界には多数の大手企業が参入しており、この出資は、Deliverooの拡大と刷新を可能にするとともに、競争を促進するとわれわれは考えている」としている。
Deliverooは英国全域のほか、オーストラリア、ドイツ、フランス、シンガポール、香港、ベルギー、アイルランド、イタリア、オランダ、スペイン、台湾、クウェート、アラブ首長国連邦でサービスを展開している。
Amazonは2018年12月、英国で展開していた自社のフードデリバリーサービス「Amazon Restaurants UK」を終了した。DeliverooやUber Eatsとの競争に直面していた。同社はこのサービスを2015年にシアトルでプライム会員向けに開始し、その後米国などの都市に拡大した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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