日本航空(JAL)は7月3日、エンブラエル170型機・190型機の整備士が国家資格を取得する際の訓練の一部で、VR(仮想現実)を取り入れた訓練のトライアルを実施すると発表した。
同トライアルでは、コックピットの模型やシミュレーターを使った操作学習を実施する。今回は、VRを補助的なツールとして訓練課程に追加することで、操作の習得が向上するか検証するという。対象となるのは、エンブラエル170型機と190型機の整備士養成訓練。期間は、2019年7月〜9月。なお、同社と東芝システムテクノロジーが、整備作業の際に必要となるエンジン試運転の工程をCGで再現し、VR訓練教材として開発した。
同教材により、実際の飛行機が身近にない環境においても、VR空間で実際の整備作業に近い訓練機会を創出することで、整備作業の習熟度向上を目指す。
同社によると近年、航空機の信頼性が高まり不具合が減少する中で、整備士が実際の飛行機で作業を経験する機会が減少しているという。そのため、実際の飛行機に近い環境で、整備士自身が体感しながら学習する機会を創出することが求められていた。
同教材は、エンブラエル170型機・190型機の整備訓練教官が監修しており、VR空間では、実際の音声や計器の動きが忠実に再現されているという。
そのため、整備士は実際の飛行機に近い環境で、体を動かしながら、時間や場所を問わずエンジン試運転作業を学ぶことが可能となった。さらに、訓練後にはテストモードにて動作の正誤確認が可能なため、整備士は自身の習熟度を確認しながら、効果的に学習できるという。
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