パナソニック、株主総会117分の中身--好調の家電から「何としても生き残る」車載電池まで

 パナソニックは6月27日、兵庫県神戸市の神戸国際展示場において、第112回定時株主総会を開催した。例年、同社の株主総会は、大阪城ホールなど、大阪市内で開催されてきたが、今年は、G20の開催期間と重なったため、交通規制などに配慮し、神戸市内での開催となった。

 また、東京・有明、名古屋市内の会場と、ハイビジョンブロードバンド中継で結び、株主はこれらの会場からもモニター視聴ができた。本会場には、2650人の株主が出席した。

G20の開催期間と重なったため、例年開催される大阪市内ではなく、神戸国際展示場となった
G20の開催期間と重なったため、例年開催される大阪市内ではなく、神戸国際展示場となった
東京・有明、名古屋市内の会場と、ハイビジョンブロードバンド中継で結び、株主はこれらの会場からもモニター視聴ができた
東京・有明、名古屋市内の会場と、ハイビジョンブロードバンド中継で結び、株主はこれらの会場からもモニター視聴ができた

洗濯機やドライヤーはシェアNo.1、車載電池は負けられない事業

 午前10時から開催された株主総会では、議長を務めたパナソニック 代表取締役社長の津賀一宏氏による開会宣言のあと、ビデオを通じて、2018年度の業績を報告するとともに、津賀社長が将来の見通しについて説明。「2018年度は、増収増益になったが、事業から創出される利益が大きく減益し、一時的要因によるその他損益の増益が全体をカバーする構図となっている。車載事業での利益の伸び悩みや、米中貿易摩擦の影響を大きく受け、事業面では苦戦した。この厳しい環境は、2019年度も続く見通しである。当社を取り巻く経営環境は、依然厳しい状況であると認識している」とした。

パナソニック 代表取締役社長の津賀一宏氏
パナソニック 代表取締役社長の津賀一宏氏

 続いて、セグメント別の見通しについても説明した。家電を中心としたアプライアンスは、「2019年度の売上げ、収益ともに前年並みになる。国内の家電事業では、洗濯機やドライヤーなどで占有率ナンバーワンを獲得した。洗剤や柔軟剤を自動投入する洗濯機は大好評である。こうした共働き世代をターゲットとした、家事の負担を軽減する家電の商品力強化を進める。また、より可能性の大きい中国市場に正面から向き合い、さまざまな取り組みを進める。美容健康家電を中心に、堅調な伸びを見せているほか、インターネットにつながる家電が主流となっており、日本とは異なった商品の作り込みが求められている。こうした市場にしっかり向き合うことで、さらなる新商品の創出に挑む」とした。

アプライアンス
アプライアンス

 電設資材や住宅関連事業のライフソリューションズは、「2019年度の売上高が微減になるのは、街づくり事業におけるトヨタとの合弁会社の設立に伴い、パナソニックホームズが非連結化するのが理由。国内は照明や配線器具などの電設資材の事業が安定しており、この強い基盤を生かして、オフィスや施設などの非住宅分野で、いくつもの部材を組み合わせたり、施工から保守までの一貫した提案型事業を展開するなど、新たな領域で成長したい。海外では、都市化の進展に伴い需要が拡大。重点市場であるインド、東南アジア、中国で、配線器具などの強い商品の販売強化を進めるのに加えて、競技場をはじめとするさまざまな施設への提案型事業を拡大し、今後の利益の柱としていく。中国では、介護などの高齢者向け事業の拡大が見込まれ、住宅設備や介護商品などを軸にした新たな挑戦を進めたい」と述べた。

ライフソリューションズ
ライフソリューションズ

 システム関連事業のコネクティッドソリューションズは、「2019年度の売上高は前年並みだが、将来成長に向けた先行投資拡大のため、収益性は一時的に低下する。今後は、現場の経営課題の解決に向けた提案型事業の拡大を進める。人手不足に困っている飲食業向けには、ロボット技術を活用して、食の安全に貢献しながら、食材を提供。コンビニエンスストア向けには、顔認証決済の実証実験を行っているところだ。空港の出入国検査場で利用している顔認証技術を横展開し、利便性を向上させて、国内外のほかの顧客にも展開する。東京オリンピック、パラリンピックに向けては、ワールドワイドパートナーとして、映像、音響機器の納入を行うなど、さまざまな角度から取り組んでいる。開会式や閉会式、各競技など、日本にとって重要な大会の成功に向けて、全社をあげて貢献したい」と語った。

コネクティッドソリューションズ
コネクティッドソリューションズ

 車載関連のオートモーティブは、「2019年度は、電池の成長により、増収となるが、角形電池工場の立ち上げに伴う費用の影響で営業利益は赤字となる。まずは足下の収益改善に取り組む。角形電池では、将来の増産に向けた先行投資を行い、生産性を向上。トヨタとの協業では両社の製造力、技術力を融合することで競争力がある電池を生産し、多くの自動車メーカーに安定供給ができるにようする。車載電池は負けられない事業である。トヨタも変革する自動車業界で負けたくないという強い意志がある。この強い意志を持った日本の企業同士が手を携え、挑戦を重ねることで、優れた電気自動車を支える世界一の電池を作り上げる」と強調した。

オートモーティブ
オートモーティブ

 部品を中心としたインダストリアルソリューションズは、「2019年度は米中貿易摩擦による不透明感があり、減収の予測としているが、半導体などの低収益事業の改善や品質ロスの削減などにより、収益性は向上する。電子部品メーカーとして、数多くの強みのある分野で占有率ナンバーワンを維持している。現在も大手部品メーカーと対等に戦える技術力、商品力があり、新たなカンパニーの設置によって、これを強化する。自動運転をはじめとして高い完成技術が求められる車載分野や、進化が著しい情報通信、工場の省人化などの大きな成長が見込める産業分野に注力し、システム商品の拡充による事業競争力の強化、市場占有率のさらなる拡大を目指す」とした。

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